「叱る」から「ねぎらう」に転換すると、
親も子も変わる!
Sくんのお母さんは新人を育成する立場になったので、仕事の質をより高める道を選びました。
そして、小児科に「Sさん外来」を立ち上げ、医師とチームを組んで、心を病んでいる子の治療に、より力を入れ始めたのです。
小学生のKちゃんは、欠神発作(急に意識を失い、数秒から数10秒後、突然意識が元に戻る発作)の持病を抱えていました。
彼女は、Sくんのお母さんだけに心を開きました。
学校にも行けず、家から一歩も出られないのに、病院にだけは喜んでやってくるのです。
Sくんのお母さんは、看護学生も参加させ、深く関わっていきました。
すると、Kちゃんの登校拒否の理由が見えてきました。
Kちゃんのお母さんは病院ではいいお母さんでしたが、学校側の対応がどうしても許せず、校長や教育長にも吠えるように、強く抗議を続けていました。
Sくんのお母さんはその姿に、こう思いました。
「私も昔はSを責めていた。でも、仕事の姿勢を西角先生に認められたことで、私は変われた。私はうれしいから、Sをねぎらう。すると、Sは喜んで勉強をした。西角先生から学んだこの方程式を、この小児科で活かせないかな」
それまで小児科では、Kちゃんのことを含め、医師は親を叱っていたのです。
そこで、Sくんのお母さんは、「お母さんをねぎらってみたらどうでしょうか」
と、小児科医のトップの先生に進言をしました。
すると、「1回やってみよう」と、Sくんのお母さんの意見が尊重され、小児科の医師の言葉がけが、「叱る」から「ねぎらう」に方向転換されたのです。
「お母さん、いつもがんばっておられますね」などに切り替えていったそうです。
その結果、Kちゃんのお母さんは穏やかになりました。
Kちゃんへの言葉がけも変わり始め、心に充電ができたように見えました。
夏休み明けから、Kちゃんは学校に行けるようになりました。
Sくんのお母さんが「叱る」を「ねぎらう」に変えた言動が、Sくんや患者さんの回復を実現させたのです。
次回は7月26日更新予定です。
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大阪生まれ。学習コンサルタント、ステージメソッド塾代表。日本有数の大手学習塾の激戦区、兵庫県の西宮北口エリアで、「ニシカド式勉強法」により、普通の成績だった塾生の8割を2年連続「全国トップクラス」に、2割を「学力日本一」(全国版学力テスト)に育てる。独自の「100点満点勉強法」や「100点メソッド」を使い、平均点以下の子を、次々「100点満点」にする手法に驚く親子が続出している。「お母さんの言葉がけ」と、「暗記力」「ノート力」「作文力」アップを重視した「ニシカド式勉強法」は定評があり、倍率10倍以上の超難関公立中高一貫校に、「7年連続地域No.1」の合格者を出し続けている。片道3時間以上かけて通う小学生も複数出るほどの人気ぶり。
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