このたび『100点満点とれる子の育て方』を発刊した、ステージメソッド塾代表の西角(にしかど)けい子氏に、子どもの成績を伸ばす秘訣を聞いた。
西角氏は、倍率10倍超の難関公立中高一貫校に7年連続地域No.1の合格実績をあげているだけでなく、どんなテストでも「100点満点」を目標にさせて、確実に「100点」をとらせていく。「すべての子どもには、必ず伸びしろがある」という信念を軸に、学力とメンタルの両面からアプローチを重ねていくのだ。今回、子ども本人だけでなく親や周囲からも驚きの声があがっている「100点満点勉強法7つのルール」などを含め、全5回連載を企画した。
【第2回】は、「100点満点勉強法」7つのルールの一部を紹介する。
【100点満点勉強法ルール1】
たとえ小6でも、ひらがなの「あ」からやりなおす
【第1回】で登場した「カタカナの「ヌ」が書けなかったSくんや、ひらがなの「ま」に「〝」を打ったTさんに「100点満点勉強法」を指導すると、テストの点数が大幅に上がったと書きました。
その手法のひとつが、「小1からのやりなおし学習」です。
これは抜群の効果を発揮します。
確実に子どもの基礎力を構築していけるからです。
国語のやりなおしの問題集を手渡すと、ほぼ100%の子どもたちが恐る恐る問題集をのぞき込みます。
すると、「ひらがな」の「あ」を見つけた瞬間、思わずホッとした顔になり、笑顔がこぼれます。
その後、鉛筆をとると、嬉々としてやりだします。
ですが、これにたどりつくまでには、大きな苦労がありました。
それまで私は、「無学年制学習法」をとり入れていました。
これは、学年の枠を取り払い、子どもが理解している学年までさかのぼって指導するというものです。
ただ安易に戻るのではなく、子どもに理解度を確認しながら、さかのぼっていきます。
ここで子どもの実際の学年ではなく、「学力の現在地」を見極めていきます。
目安として私は、子どもの学年の2~3学年下の教材からやりなおしをさせていました。
それを「ニシカド式無学年制学習法」として指導していったのです。
ですが、子どもたちは、少しさかのぼったところで再びつまずくと、とたんにやる気を失います。学年を下げてもわからないのですから、子どものプライドが傷つくわけです。
試行錯誤を重ねた結果、すべての子どもたちに、小1レベルからやりなおさせたのです。
これは効果的でした。
子どものやる気が再燃し、「やればできるかもしれない」という期待感に変わります。
そこで一気に学力を伸ばします。
これが、「小1からのやりなおし学習」でした。
「小1からのやりなおし学習」を始めると、お母さんのやる気も高まりました。
予想外だったのは、「このレベルでしたら、私も見てやれます」と言って、進んで復習を手伝ってくれるお母さんが増えたことです。
夕食後、リビングで勉強を見てあげる時間は、子どもに安心感を与え、お母さんも一番満たされるようです。
家庭では、市販の問題集やドリルでいいですから、お母さんが指導する場合は、事前に本書で紹介する指導の仕方をイメージしてから始めるといいでしょう。