iモードを始めたNTTドコモと、J-PHONEはどう戦う?

――そして99年にiモード(注:NTTドコモが提供していた、携帯電話向けのインターネット接続サービス)が出てくると。

高尾:iモードが出たことによって、携帯電話はインターネットにつながり、Webブラウザの機能が入りました。それでドコモさんにしてやられたなという状況になりまして(笑)。当時、J-PHONEは何で戦おうかとなりました。

 通信速度もネックでした。当時はドコモもJ-PHONEも9.6kpsとかでしたからね。(編注:現在使われている4Gの通信速度は約1Gbps、5Gは約10Gbps。10Gbpsは、9.6kpsの約100万倍の速さ)そしてとにかく圧倒的に通信のパイプの太さが(ドコモに比べ)劣勢だったんです。しかし、それで戦わないといけない。

――それは、テキストメッセージだったらよかったけど、Webになるとちょっと話が違ってくると。

高尾:はい。なので当時のJ-PHONEの端末でWebブラウザをやろうとすると、やはり遅くなる。同じ方向に行ってもいいのだけど、後追いにしかならない。

深夜番組のテレビ番組「女子高生のかばんの中身」がヒントになった

高尾:じゃあ、何で戦おうかといった時に、ドコモとauが音楽プレーヤーを搭載するという動きがあったんです。当時のJ-PHONEの営業から「ドコモとauが音楽プレーヤー付きを出すから、お前たちも音楽プレーヤー入りをつくれ」と、強硬にそういう打診が来たのを覚えています。ただ、この打診は無視しました。これまで開発チームの方向性は当たっていたので、自分たちで何かできると考えたのです。

――そこから「写メール」の開発につながるのですね。

高尾:そうです。きっかけは1人で深夜番組を見ていた時のこと。その中で女子高校生のかばんの中身をチェックしますみたいな番組があって、みんなが携帯電話と音楽プレーヤーと使い捨てカメラを持っていることを知ったのです。

 カメラを持っているということは、自分の見たものの感動を誰かに伝えたいということ。それであればメールのテキストより、画像のほうが絶対それは伝わる。だったら、携帯にカメラを付けるのがいいかなと思ったのです。