ステップ4 「配当の裏側」を覗く――推移・性向・政策を読む

「高配当株の選び方」を金融資産6000万円の30代女子が伝授!【前編】決算書で見るべき「8つの財務指標」とは?お金はこれで増やせます 失敗したくない人のための投資の教科書』(節約オタクふゆこ 著、アスコム、税別1700円)
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 ここまでの財務チェックをくぐり抜けた銘柄の最後の確認ポイントは、「配当の信頼性」です。配当は、企業の「お金の使い方」の表れです。

  どんなに業績がよくても、配当政策に無理がある企業は長くは続きません。そこで、以下の3つをチェックします。
 
(1)過去15年の配当推移をチェック
 
 まず見るべきは「配当の履歴」です。過去15年分の配当金の推移を見て、減配や無配があったかを確認します。

 配当の歴史は、その企業の“本音"を語ります。一度でも急な業績悪化で減配・無配になった企業は、今後も同じようなことが起こる可能性が高いのです。

(2) 「配当性向」は会社の健全度バロメーター

 次に見るのが「配当性向」です。これは企業が稼いだ利益のうち、どれくらいを株主に配っているかを示す数字です。
 
・配当性向(%)= 1株あたりの配当金 ÷1株あたりの純利益 × 100

 例えば、ある企業が10億円の純利益を得て、1000万株を発行しているのなら、1株あたり純利益は100円です。そのうち50円を配当金として支払っているなら、配当性向は50%となります。配当性向は、その企業の「配当の安定性」を判断するうえで役立ちます。
 
(3) 数字の読み方

・配当性向が低い(例:30%前後)

 利益の多くを内部に留保し、今後の成長のための投資や将来の減配リスクに備えていると考えられます。配当金が安定している可能性が高い「手堅いタイプ」の企業といえるでしょう。
 
・配当性向が高い(例:80%以上)

 利益のほとんどを配当に回しているため、成長投資の余力が少ないと判断できます。業績が少し悪化しただけで、すぐ減配リスクが出る「危ういタイプ」の企業と考えられるでしょう。
 
 わたしのなかでは、配当性向は50%未満が望ましいと考えています。経験上、配当利回りが6%以上あると、配当性向で無理している傾向が強いようです。

 そして最後に有価証券報告書を見て、今後の配当に対する企業の方針を確認します。

 配当に対する意識を確認するだけでなく、累進配当などの意欲的な方針があるかをチェックします。
 
・累進配当 

 企業が株主への還元姿勢を明確にするための配当政策のひとつで、前年度の配当水準を下回らないように配当額を維持、もしくは増配することを目標としています。たとえ一時的に業績が悪化して純利益が減少したとしても、すぐに減配決定しないことを示す方針です。
 
・DOE(自己資本配当率)

 純利益ではなく自己資本に対する配当の割合を示す指標です。配当方針をDOEに準じて行う場合、業績が悪化して一時的に赤字になったとしても、自己資本が大きく減らない限りは一定の配当を維持することになるため、安定的な配当が期待できます(ただし、わたしはDOEをあまり考慮の対象としていません)。

>>後編に続く 「高配当株の選び方」を金融資産6000万円の30代女子が伝授!【後編】買いどきを見極める納得の方法とは?

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