DOGEの中核を担ったのは、マスク自身と彼の周囲から招聘された若手エンジニアやテック企業出身者たちである。連邦政府の既存の人事制度やガバナンス慣行とは一線を画し、組織横断的にデータベースへアクセスし、支出記録や契約内容をAI等を活用して分析しながら、「waste, fraud and abuse(無駄と不正と濫用)」を識別・削減することを任務としている。
実際にDOGEは設立直後から、各種政府機関での契約の見直しを進め、数十億ドル規模の契約打切りを行ったと発表している。特に象徴的だったのは、「不透明な支出構造」があると判断された米国国際開発庁(USAID)への介入であり、2025年3月にはUSAIDの事業の8割超が停止された。
大規模なリストラと
強引な歳出削減が横行
USDS(編集部注/米国デジタルサービス)を母体としたDOGEの内部では、発足当初から軋轢も生じた。
大統領令発令後すぐにUSDS改め「米国DOGEサービス」では人員整理が始まり、2月までに全職員の3割強(70人以上)に解雇通告が出された。2024年時点で約224名いた組織が一気に縮小される見通しとなり、これに抗議する技術系職員21名が、2025年2月25日付で連名の辞表を提出して辞職する事態も起きている。
彼らは公開した辞表の中で「我々は重要な公共サービスを破壊し米国民の機密データを危険にさらすために自らの技術スキルを使うつもりはない」と述べ、DOGEの進める政府人員削減やシステム改変に強く反発した。
マスクはこの集団辞職についてX(旧Twitter)上で「辞めなくてもいずれクビになっていた連中だ」と嘲笑し、動じる様子はなかった。一方でDOGEの活動が拙速かつ強引すぎるとして、連邦労働組合や一部議員からは提訴も相次いだ。
DOGEは各省庁に4名の「DOGEチーム」を送り込み、業務監査と経費・人員削減を開始した。マスクは無給の特別職として事実上トップを務め、閣議にも出席した。発足直後には多様性推進策関連のコンサル契約や空きビル賃貸契約などを破棄し、大幅な削減成果を強調したが、その数字には誇張が多いと報じられた。







