AP通信によると、DOGEがキャンセルしたとする約2300件の契約のうち、およそ35%(794件)は実質的な節約効果がゼロであった。
国防総省の弾薬契約の例では、弾薬は既に納品・使用済みであり、契約だけを後から破棄しても意味を成さない。ある専門家はこれを「使った後の空薬莢を取り上げるようなもの」と形容している。
加えて、DOGEは1800億ドルの歳出削減を達成したと公表したが、政権発足後100日間における政府支出は前年より増加しており、削減効果に疑義が生じている。サイト上に掲載されたデータにも不備があり、たとえば米国国際開発庁(USAID)に関する契約は全て「非開示」とされていた。
外注費用や補助金の削減は
日本では実行が難しい
こうした米国でのケーススタディを踏まえ、日本が直視すべき教訓は何であろうか。2025年10月に取り交わされた自由民主党と日本維新の会との間の連立政権合意書には、「政府効率化局(仮称)」の設置という、日本版DOGEとでも呼べるような構想が掲げられている。しかし、米国のDOGEをそのまま日本に輸入しようとすれば、前述した惨状と同様の事態を招くおそれがある。
そもそも米国DOGEには課題も多く、その全てを参考にする必要も乏しい。「政府効率化局(仮称)」を推し進めるのであれば、米国において(部分的にせよ)奏功した取組に着目して、知恵を借りるべきであろう。その観点からは、DOGEの事例から抽出・昇華すべき日本のための教訓は、以下の3点に集約される。
第一の教訓は、確実な「外注費用・補助金削減の仕組み」が必要ということである。
米国DOGEが短期間で巨額の対企業契約の解除や補助金の削減を実現できた背景には、「(政府の)便宜による契約終了(Termination for Convenience)」という強力な法的ツールの存在がある。対して日本では、政府による契約解除一般に利用できるような法的手段は用意されておらず、その可否は個別の契約内容に左右される。
そうである以上、政府都合で一方的に契約解除をすること自体が難しいか、解除できたとしても、原則として、契約が履行されていれば得られたはずの逸失利益等の損害賠償義務が政府側に生じることとなる。







