DOGEの強権ぶりを象徴したのが米国国際開発庁(USAID)への介入である。
USAIDは途上国援助や災害支援を担うが、トランプ政権とDOGEは「税金の無駄」「腐敗官僚の温床」として標的にした。2025年2月、DOGEスタッフが本部で機密情報へのアクセスを要求したが、必要なクリアランスがないとして拒否され、直後に関係職員は停職処分となった。
トランプ大統領は「過激な連中を追い出す時だ」と述べ、マスクもSNSで「犯罪組織だ」と非難した。結果、対外援助プログラムは麻痺し、1月の大統領令による資金全面停止とあわせ、USAIDの活動は事実上停止した。2月には公式サイトが停止し、本部幹部の多くが休職扱いとなり、人道支援プロジェクトにも深刻な影響が及び、国際社会からは米国の信頼低下を危ぶむ声も出ている。
政府発表の節約額は
実態を反映していなかった
DOGEは2025年6月時点で、契約や補助金の打ち切り、政府資産の売却、リース解消、人員削減などを組み合わせて、約1800億ドルの歳出削減を達成したと主張している。この金額は、米国の納税者1人当たり約1118ドルの節約に相当する。サイト上には省庁別の「効率化リーダーボード」も掲載され、どの官庁が最も経費削減に貢献したかをランキング形式で示している。保健福祉省(HHS)や一般調達局(GSA)が上位に入り、効率化の成果を定量的に示している。
DOGEはまた、誰もが政府支出データを分析できるように、公開API(Application Programming Interface)を提供している。これにより、一般市民や開発者が契約・支出データセットにアクセスし、独自の分析や可視化ツールの作成を行えるようにした。
DOGEは、「みんなで政府支出を監視する」仕組みが官僚機構の効率化につながるとの考えのもと、オープンなデータプラットフォームを用意しようとしている。
一方で、DOGEの節約額の算出方法には批判もある。DOGEは、契約の「最大契約額」(オプションを含む上限)から実支出額を差し引いて節約額を計算するが、これはクレジットカードの利用限度額に基づいた計算と同様に過大評価だという指摘がある。実際、DOGEが削減対象とした契約の中には、全額が支払済みであり、キャンセルしても節約効果が生じない案件が含まれていた。







