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高市政権は、防衛力強化の財源確保に向けた所得増税の開始時期を2027年1月と決めた。防衛費をGDP比2%へ引き上げる必要性を訴えているが、実は「数字のトリック」が隠されている。28年以降には、防衛費を押し上げる新たな要因も控える。国民生活を直撃する防衛費増税の行方とは?※本稿は、シンクタンクの一般財団法人ネクストジャパン・イニシアティブ『政府破綻』(新潮社)の一部を抜粋・編集したものです。
中国・北朝鮮・ロシアという
脅威に同時に囲まれる日本
日本は、中国・北朝鮮・ロシアという脅威に同時に囲まれた「前線国家」であり、第二次世界大戦後、最も厳しい安全保障環境に置かれている。
特に中国の軍拡ペースは急速であり、2025年の公表ベースで、中国の国防費は日本の4.4倍、海上兵力(艦艇トン数)は4.4倍(艦艇隻数は5倍)、航空兵力(作戦機数)は9.1倍となった。また、中国は軍事力を量的に拡大するのみならず、活発な研究開発を通じ、質的能力も飛躍的に向上させてきた。
従来、中国は圧倒的な軍事力を有する米国に対して劣勢な立場にあった。そのため、米軍の空母打撃群を中心とした戦力投射能力を地上発射型ミサイルなどで攻撃する能力を整えることで、自国に近い第一列島線への米軍の展開を阻止しようとする接近阻止・領域拒否(A2/AD)の軍事態勢を構築してきた。
一方、もし中国が武力を用いて台湾統一を行うのであれば、従来のようなA2/ADだけではなく、空母打撃群や水陸両用部隊、海上輸送部隊、そしてそれらを支援する航空戦力の増勢を通じた戦力投射能力の近代化が不可避となる。







