第2次トランプ政権の目玉だった政府効率化省(DOGE)。イーロン・マスクをトップに迎え大幅な歳出削減に成功したと喧伝されたが、その裏ではさまざまな問題が噴出していた。DOGEの功罪を教訓としながら、自民党と維新の会が構想する「政府効率化局(仮称)」の課題を考察する。※本稿は、シンクタンクの一般財団法人ネクストジャパン・イニシアティブ『政府破綻』(新潮社)の一部を抜粋・編集したものです。

日本も大いに参考にすべき
政府効率化省(DOGE)の取り組み

 2025年1月、2期目の政権を成立させた直後のトランプ大統領は、大統領令により「政府効率化省(Department of Government Efficiency:DOGE)」の設立を表明した。DOGEは、テスラCEOでありIT実業家のイーロン・マスクの提案を受ける形で設立されたものであり、名称もマスクが関心を寄せてきた暗号資産「ドージコイン(Dogecoin)」にちなんだものである。

首相指名後、与党党首会談に臨む自民党の高市早苗総裁(右)と日本維新の会の吉村洋文代表自民党の高市早苗総裁(右)と日本維新の会の吉村洋文代表 Photo:JIJI

 本記事が、DOGEという異色の改革プロジェクトを取り上げるのは、この取組が、今日の先進国政府に共通する課題に対し、1つの極端な回答を示そうとするものであるからに他ならない。

 DOGEの任務は、連邦政府の無駄や非効率を洗い出し、大胆な組織再編・規制撤廃を通じて財政支出を大幅に削減することとされている。トランプ大統領はこれを「現代のマンハッタン計画」と表現し、共和党の中で長年の夢とされてきた官僚制打破の象徴と位置づけた。

 DOGEの設置期間は2026年7月4日までとされ、建国250周年までの18カ月間で1兆ドルの削減成果を上げるという極めて具体的かつ野心的な目標が設定された。