真風、魔法を使う? ファンタジー展開
一方、その頃の直美(上坂樹里)は。この回、りんと直美が出会うまで、ふたりの物語は対になっている。共通のキーワードは「逃亡」と「期待外れ」だ。
夜、「THE WIDE WIDE WORLD」という英語の本を読んでいる直美。起き上がって、壺のふたを開けると、油紙が敷いてあって、そのなかにお金が。コツコツ貯めているのだろう。アメリカに行くために。
いつかこんな日本から脱出することを心の支えにしていた直美だったが、当てにしていたメアリー(アニャ・フロリス)がインドに行くことになった。
何も言わずにこっそり去っていこうとしていたメアリーに、「私はいつでも大丈夫。お金だってコツコツ貯めて」と言う直美。だが「ごめんなさい」とメアリーは土下座。
「アメリカに連れて帰ることはできない」
えっ!
「インドでも構いません。私をインドに連れてってください。お願いします」と頼むが、メアリーはいまの直美がアメリカでもインドでもどこに行ってもうまくいかないと手厳しい。
それは直美に目標がないからで、メアリーは伝道のためにインドに行くのだと言う。立派な人生目標が彼女にはあった。
「This is my life」。メアリーは捨松(多部未華子)と同じことを言う。これはドラマ全編を通してのキーワードのようだ。
ショックを受けた直美は教会を出て行く。教会のパンをひとつ盗んで。
盗んだ白いパンを食べながら、うろうろ歩いていると、風が吹き、風車が足元に落ちてくる。
この風車は、りんが飛び込み営業して断られた女将さんが環にくれたものだ。
真風(研ナオコ)が「どうしよう、こうしよう」と風を吹かせたのだ。何者なの、研ナオコ。ファンタジー展開であるが、朝ドラは幽霊が出てくることは少なくないし、わりと奇跡的なことが起こりがちなのだ。
飛んだ風車をとりに小走りしてくるりんと環。
ここでりんと直美が出会う。
風は劇的に吹いたのに、ふたりの出逢いは、さりげない。これが運命の出会いだとはいう感じではまったくない。
直美はかじりかけのパンを環に与える。遠慮するりんを無視してパクっと食べちゃう環。
近くで炊き出しがあるのでどうですか?とすすめる直美に、りんは宗派が違うとやんわり断る。
「私はあんたじゃなくて、この子に食べさせたいの。あんた母親でしょ?」と恥ずかしくないのかと責める直美。
「恥ずかしいですよ。娘にこんな思いさせて、母にも恥ずかしくて申し訳なくて、情けなくて、悔しくて、奥様で上がるなんて、大口たたいて……」と自分の話にすり替わってしまうりん。
直美は自分がみなしごだから、親は子どもをなんとしてでも守るべきと思っているのだろう。だから、プライドに縛られている人を見ると腹が立つ。りんも信勝も見栄っ張りなのは武家の出だから?
なにはともあれ、ふたりは出会った。ふたりになって今後ますます展開の勢いが増していくだろうか。









