最悪のケースでは
ドルや米国債の信認も揺らぐ
シナリオ(1)楽観
もし戦争が限定的で、原油供給の混乱が短期間で収束すれば、インフレは一時的なもので終わり、FRBの金利政策である程度コントロールできるでしょう。そうした場合、米経済は一時的な調整を経て、中期的には安定軌道に戻ります。
シナリオ(2)中間
戦争が長期化し、中東地域全体の供給網が不安定化する場合、原油価格は持続的に高止まりし、物価上昇が経済活動の減速と重なります。FRBの利上げ余地は制限され、債務負担の重さと相まって、政策対応が難しくなる可能性が出てきます。こうなると、スタグフレーションに近い状況が現実化し、株式市場や債券市場は高いボラティリティにさらされるでしょう。
シナリオ(3)最悪
最悪のケースでは、戦争が中東全域に拡大し、石油価格の急騰が世界経済全体に波及します。米国だけでなく、主要貿易相手国の景気後退が連鎖し、インフレは高止まり、金融政策はほとんど無力となります。このようなシナリオでは、スタグフレーションが深刻化し、ドルや米国債の信認も揺らぐことになります。
Ray Dalio/1949年米ニューヨーク州生まれ。12歳から投資を始め、ハーバード・ビジネス・スクールでMBA取得後、1975年に「ブリッジウォーター・アソシエイツ」を起業して世界最大規模のヘッジファンドに成長させた。自身の哲学を綴った『プリンシプルズ』は世界で200万部超のベストセラー Photo:Dia Dipasupil/gettyimages







