ウクライナのオデーサ港は穀物輸出の主要拠点となっているPHOTO: SERHII KOROVAYNY FOR WSJ
【キーウ(ウクライナ)】トランプ米政権が地上部隊を投入せずにホルムズ海峡を再開させようとする中、重要な穀物輸出の再開を目指し、2022年に国連の支援のもとでウクライナとロシアの間で締結された合意に注目が集まっている。
数カ月にわたる交渉の末に締結されたこの合意は、重要な海上輸出航路を一時的に開放したが、最終的にはそれを維持するには軍事力が必要となった。その後、ウクライナの海上ドローンは2024年にロシア海軍を輸送航路から撤退させ、現在の農産物輸出は戦争前の水準近くにまで回復している。
この出来事は戦時における外交の限界を露呈し、こうした対立において軍事力を通じた局面打開の必要性を示している。ドナルド・トランプ大統領にとって、戦争の早期終結を目指す上で教訓となる。
ウクライナのアンドリー・シビハ外相は2日、ホルムズ海峡に関する国際会合に参加し、「テロリストの体制は成功事例を共有する。イランが現在ホルムズ海峡でやっていることを、ロシアは先日まで黒海でやっていた」と述べた。その上で「問題はイランがロシアの失敗を研究し、そこから学んだことだ」とした。
ホルムズ海峡は戦争前、世界の原油供給量の5分の1が通過する要衝だった。イランはドローン、ミサイル、そして小型高速艇による脅威を通じて海峡を事実上封鎖し、世界経済に打撃を与えている。
欧州連合(EU)のカーヤ・カラス外交安全保障上級代表は、黒海での対応をホルムズ海峡にも適用することについて、合意の仲介を支えた国連のアントニオ・グテーレス事務総長と協議したと述べた。イランはこれまでのところ、ペルシャ湾から非友好国を排除し、海峡を通過する船舶に通航料を課すことを目指す立場を堅持している。
トランプ氏は他国に対し、イランからホルムズ海峡の支配権を奪い返すよう呼びかけている。同氏は先週、「勇気を振り絞り、海峡に向かい、そのまま奪取せよ」と自身のトゥルース・ソーシャルに投稿。また3日の別の投稿では、「もう少し時間があれば」米国は容易に海峡を再開でき、「石油を奪取して莫大(ばくだい)な富を得られる」と述べた。







