世界の富裕層たちが日本を訪れる最大の目的になっている「美食」。彼らが次に向かうのは、大都市ではなく「地方」だ。いま、土地の文化と食材が融合した“ローカルガストロノミー”が、世界から熱視線を集めている。話題の書『日本人の9割は知らない 世界の富裕層は日本で何を食べているのか? ―ガストロノミーツーリズム最前線』(柏原光太郎著)から、抜粋・再編集し、日本におけるガストロノミーツーリズム最前線を解説。いま注目されているお店やエリアを紹介していきます。
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富裕層が求めるのは「知る喜び」
まず、なぜ世界の富裕層の間でガストロノミーツーリズムが流行しているのかを改めて考えてみると、そこにはやはり、富裕層が持っている知的好奇心というものが大きく関係していると思います。
彼らが求めているのは、「知る喜び」です。
昨今、ネットの発達によって、社会にあふれる情報量は20世紀とは比べ物にならないほどになりました。その中で、本当に価値ある情報を選び取り、自分の感性や仕事に活かしていける人が、結果的に富裕層になっているといえるのではないでしょうか。
つまり、富裕層だから知的好奇心が旺盛なのではなく、知的好奇心が旺盛だから富裕層になっているということです。私が知る限り、富裕層といわれる方々は、例外なく知的好奇心が旺盛で、常に新しいものに出会うことを楽しんでいます。
そんな中で、「食」が好奇心の対象になる理由は、いたってシンプルだといえるでしょう。なぜなら、食は生活に密着した、最も身近なコンテンツでありながら、非常に深い世界を持っているからです。たとえば、北海道の小さな町で早朝に収穫したとうもろこしが息をのむほど甘かったり、季節限定の一皿に土地の歴史や気候、農業の課題が詰まっていたりする。そうしたことに気づき、興味を持つことが、世界を知る第一歩になります。
「なんでこうなるんだろう?」と心を動かされる食体験をするたびに、それが農業、科学、歴史、経済、哲学など、あらゆる分野にアンテナを伸ばすことにつながっていくのです。
変化の激しい時代において、人から一歩抜きんでた存在になるために必要なのは、知的好奇心を持つことです。
食を通じて世界や人を深く理解しようとするその姿勢は、日頃から本質を見極める習慣につながります。ただ口に入れるだけではない、五感で感じる食体験こそが、思考の幅を広げ、仕事や人生を豊かにする礎となるのです。
※本記事は、『日本人の9割は知らない 世界の富裕層は日本で何を食べているのか? ―ガストロノミーツーリズム最前線』(柏原光太郎著・ダイヤモンド社刊)より、抜粋・編集したものです。






