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子どもの失敗は「成長の糧」とよく言われる。だが、子どもにどこまで失敗を経験させるべきかは親にとって悩ましい問題。大きな事故や取り返しのつかない失敗は避けたいところだ。では、子どもにどの程度の危険を伴う経験をさせるべきなのか。東大名誉教授が、公園遊具づくりから得た知見をもとにリスクとの向き合い方を解説する。※本稿は、東京大学名誉教授の畑村洋太郎『人生の失敗学 日々の難儀な出来事と上手につき合う』(朝日新聞出版)の一部を抜粋・編集したものです。
高層マンションの転落事故は
「高所への慣れ」が引き起こす
子どもの事故について調べているとき、「高所平気症」というのがあることを知りました。教育研究者が使う俗語です。
一般的によく知られている「高所恐怖症」は、高い場所に対する過度な恐怖や不安を感じる状態です。そこまで極端ではないものの、だれでも高い場所に立つと怖さを感じますが、それをまったく感じないのが高所平気症です。
幼少期から高層マンションに住んでいるなど、日常的に高い場所にいる人は、高所への恐怖心が薄れやすいとされています。それが子どもの転落事故の原因になることがあるのです。
高所が苦手でない子どもは、高い場所にいてもあまり恐怖を感じず、ふだんと同じ行動をしがちです。その場所がジャングルジムのてっぺんなら落ちても軽傷で済むかもしれませんが、高層階の窓やベランダから転落したらひとたまりもありません。
実際、ライフスタイルが変わって、高層階で暮らす人が増えてからは、こういう事故が数多く起こっています。
子どもの転落や転倒事故が多いのは体形も関係しています。子どもの頃は頭が相対的に大きいため、重心が高い位置にあります。







