楽にたくさん稼ぎたい…「タイパ」「コスパ」を重視しすぎる若者が知らない事実写真はイメージです Photo:PIXTA

「楽に稼げる仕事」は一見魅力的に見えるが、どこか危なっかしい印象を持つ人は少なくないはずだ。著者は、若手医師の間で広がる“直美”というキャリアを例に、収入だけに偏った働き方の問題点を投資理論の観点から指摘する。※本稿は、データ分析・活用コンサルタントの佐藤舞『あっという間にお金はなくなるから』(KADOKAWA)の一部を抜粋・編集したものです。

稼ぎたい若手医師に人気の
「直美」というキャリア

 直美という言葉をご存じでしょうか。

「直美」とは、美容医療業界で使われる俗語です。

 医師が、十分な研修や経験を積むことなく、いきなり美容外科クリニックに就職することを指します。特に近年、医学部を出たばかりの若手医師がダイレクトに自由診療中心の美容医療に直行し、高収入を得るケースが増えているそうです。この現象を羨望(せんぼう)と揶揄を込めて「直美」と呼ぶのです。

 背景には、美容医療業界の高収益体質があります。保険診療ではないため単価が高く、手術の難易度にかかわらず売上が立ちやすい。そのため、「タイパ(時間対効果)」「コスパ(費用対効果)」を重視する若手医師にとっては、魅力的な選択肢なのだそうです。

 なぜ直美的なキャリアが選ばれるのか。

 理由はシンプルです。楽で、早く、たくさん稼げるから。

 SNSを見れば、「20代で年収3000万」「修業なんて不要」「好きなことで生きていく」など、耳触りの良い言葉が並びます。「直美的な働き方」は、若い世代(といわず多くの世代)にとって魅力的に映るのでしょう。

 しかし本当にそれでいいのでしょうか。