「なんなのこの人?」「どうして私ばっかり家事や育児をしないといけないの?」「仕事で疲れているのに…」とパートナーにイライラすることはないだろうか? そんな人におすすめなのが書籍『私たちはなぜ「やるべきこと」をやれないのか、「やめたいこと」をやめられないのか』(キム・ソクチェ著/岡崎暢子訳)だ。本書は、神経内科専門医として脳科学分野の第一線で活躍する著者が、「感情や欲望に振り回されずに生きる方法」を、脳科学・心理学・哲学の視点から解説。愛に関する章では、自分の感情に振り回されずに、パートナーと良好な関係を築いていく方法を紹介している。本記事では本書の発売を記念して、その内容を一部抜粋・再編集して紹介する。

【パートナーの言動にイラッ!】夫・妻の行動はなぜこんなにムカつくの?Photo: Adobe Stock

どうでもいいことなのに、一挙一動がやたらと気に障る

疲れていたりストレスが溜まっていたりするとき、パートナーの何気ない言動がやたら気に障ることがあります。

普段ならスルーできることでも、なぜかカチンときてしまったり。

実は、体が疲れると、心も一緒に不安定になるのです。

「感情をコントロールする力」は使えば使うほど消耗する

「感情コントロール」とは、自分の感情を正しく捉え、状況に応じて適切な反応を選び取る力です。

ただし、この力には限界があります。

感情や思考、行動をコントロールする自己統制力は使うほどバッテリーのように消耗します。

付き合いが長くなって熱が冷めてくると同時に、相手の言動に対する許容範囲が狭くなっていきます。

度重なる失望やイライラが感情を敏感にし、すぐさま反論したり話題を回避するといった「防御反応」で返すパターンが定着してしまうからです。

「感情の連鎖」でお互いが攻撃的に

感情コントロールは、こうした状況や雰囲気に大きく左右されます。

自分が思わず感情を爆発させれば、相手も攻撃的になったり沈黙で応じたりして悪循環となります。

心理学ではこれを「エモーショナル・カスケード」(emotional cascade)と呼びます。

ひとつの感情が次の感情を刺激し、その反応がさらに新たな感情を呼び起こし、葛藤が拡大していくのです。

怒りが込み上げてきたときはどうすればいい?

感情コントロールのためには、まず自分の感情を正確に認識しなければなりません。

「私は今、なぜこんな反応をしたんだろう?」と自問するだけでも、感情の半分は整理されます。

「カッとなっても、口を開く前に一呼吸おく練習」「怒りがこみ上げたときにはその場を離れる」などの行動は、感情コントロールのすばらしい戦略です。

感情は抑え込む対象ではありません。管理して面倒を見る対象です。

「思わず怒りを爆発させたとしても、その怒りを管理するのは自分の選択だ」

こうした考え方ひとつで、パートナーとの関係はずいぶんとスムーズになります。

(本稿は『私たちはなぜ「やるべきこと」をやれないのか、「やめたいこと」をやめられないのか』から一部抜粋・再編集した記事です)