「なんなのこの人?」「どうして私ばっかり家事や育児をしないといけないの?」「仕事で疲れているのに…」とパートナーにイライラすることはないだろうか? そんな人におすすめなのが書籍『私たちはなぜ「やるべきこと」をやれないのか、「やめたいこと」をやめられないのか』(キム・ソクチェ著/岡崎暢子訳)だ。本書は、神経内科専門医として脳科学分野の第一線で活躍する著者が、「感情や欲望に振り回されずに生きる方法」を、脳科学・心理学・哲学の視点から解説。愛に関する章では、自分の感情に振り回されずに、パートナーと良好な関係を築いていく方法を紹介している。本記事では本書の発売を記念して、その内容を一部抜粋・再編集して紹介する。
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どうでもいいことなのに、一挙一動がやたらと気に障る
疲れていたりストレスが溜まっていたりするとき、パートナーの何気ない言動がやたら気に障ることがあります。
普段ならスルーできることでも、なぜかカチンときてしまったり。
実は、体が疲れると、心も一緒に不安定になるのです。
「感情をコントロールする力」は使えば使うほど消耗する
「感情コントロール」とは、自分の感情を正しく捉え、状況に応じて適切な反応を選び取る力です。
ただし、この力には限界があります。
感情や思考、行動をコントロールする自己統制力は使うほどバッテリーのように消耗します。
付き合いが長くなって熱が冷めてくると同時に、相手の言動に対する許容範囲が狭くなっていきます。
度重なる失望やイライラが感情を敏感にし、すぐさま反論したり話題を回避するといった「防御反応」で返すパターンが定着してしまうからです。
「感情の連鎖」でお互いが攻撃的に
感情コントロールは、こうした状況や雰囲気に大きく左右されます。
自分が思わず感情を爆発させれば、相手も攻撃的になったり沈黙で応じたりして悪循環となります。
心理学ではこれを「エモーショナル・カスケード」(emotional cascade)と呼びます。
ひとつの感情が次の感情を刺激し、その反応がさらに新たな感情を呼び起こし、葛藤が拡大していくのです。
怒りが込み上げてきたときはどうすればいい?
感情コントロールのためには、まず自分の感情を正確に認識しなければなりません。
「私は今、なぜこんな反応をしたんだろう?」と自問するだけでも、感情の半分は整理されます。
「カッとなっても、口を開く前に一呼吸おく練習」「怒りがこみ上げたときにはその場を離れる」などの行動は、感情コントロールのすばらしい戦略です。
感情は抑え込む対象ではありません。管理して面倒を見る対象です。
「思わず怒りを爆発させたとしても、その怒りを管理するのは自分の選択だ」
こうした考え方ひとつで、パートナーとの関係はずいぶんとスムーズになります。
(本稿は『私たちはなぜ「やるべきこと」をやれないのか、「やめたいこと」をやめられないのか』から一部抜粋・再編集した記事です)









