忙しいのに成果が上がらない――。そのような職場では、メンバーの士気はどんどん下がっていきます。そして、気がついたときには”職場崩壊”に陥ってしまうのです。そんな悲劇を招かないために、リーダーが果たすべき役割はきわめて重要です。この記事では、新刊『なぜ、あなたのチームは疲れているのか?』(櫻本真理・著)から、「チームの仕事」を減らして、「成果」を上げるリーダーの思考法を紹介します。

「チームの仕事」を減らして「成果」を上げるリーダーが考えていることPhoto: Adobe Stock 写真はイメージです

「あれもこれも」でチームは疲弊する

 やることが多すぎる―。
 これも、チームの心理的リソースを奪う大きな要因です。「あれも大事、これも大事」とやるべき仕事を増やせば増やすほど、メンバーは疲れ果て、チームの生産性も低下していってしまうのです。そして、この状況を改善するために、リーダーが果たすべき役割はきわめて大きいことを認識する必要があります。

 では、リーダーはどうすればいいのか?
 そのことを考える前に、まずは、「あれもこれも」がチームをダメにする理由を明らかにしておきましょう。

 第1に、「あれもこれも」と仕事を増やしてしまうと、本来は投資効率の低い仕事にまで、チームのリソースを割いてしまうことになるからです。

 たとえば、飲食店でマーケティング活動を行うことを考えてみましょう。店のことをより多くの人に知ってもらうためには、ホームページをつくる、SNSを運用する、広告を出す、チラシを配るなど、さまざまな方法が考えられます。

 しかし、資金や人手などのリソースが限られているなか、「あれもこれも」とすべての施策をやろうとすれば、投資効率が低いものにリソースを投資するために、投資効率の高いと思われる「SNS運用」への投資を犠牲にせざるをえません。その結果、「SNS運用」に集中投下したときよりも、投資効率が下回ってしまう可能性があるわけです。

 こうして、「いろいろやっているのに、成果が出ない」という状況が生まれると、それ自体がチームの効力感を低下させます。それにより、さらに消耗するサイクルに入りやすくなってしまうことに注意が必要なのです。

「思考の切り替え」で人は消耗する

 第2に、チーム全体がさまざまな種類のタスクを抱えること自体が、メンバーの心理的リソースの消耗を引き起こすことです。

 脳は、あることを考えているのをやめて、別のことに思考を切り替えるときに、より多くのエネルギーを消費します。みなさんも、ひとつの仕事に集中しているときはスムーズに進むのに、いろいろな案件が飛び込んできていちいち思考を中断させられると、疲れるばかりで業務効率が落ちるという経験をしたことがあると思います。

 これこそ、「忙しいのに仕事が進まない」という感覚の正体です。そして、チーム全体で数多くのタスクを抱え込んでいると、メンバー一人ひとりがこの状態へと陥ってしまい、それをチーム全体で足し合わせると、とんでもない非効率を生み出していることになるというわけです。

 このように、チームがあまりにも多くの仕事を抱え込むと、心理的リソースを大量に浪費する結果を招きます。

 そして、この状況を改善するのは、誰よりもリーダーが適任です。
 なぜなら、あらゆる仕事にはそれなりに「やるべき理由」が存在しているからです。つまり、どの仕事の重要性が高く、どの仕事の重要性が低いかを、決定する必要があるということ。それができるのは、チームにおいて全体を見渡したうえで優先順位を見極めることができる人、つまりリーダーなのです。

「レバレッジ・ポイント」を見つけ出す

 では、仕事の重要度をどのように測ればいいのでしょうか?