「人生つまらない」は理屈ではなく体のサイン

ものすごく時間はかかりましたが、今は回復し、世の中をとても楽しいと感じていますし、やりたいこともたくさんあります。あの時、「もうダメだ」と思い込まなくて本当に良かったと思っています。

人間には波があります。楽しくない時は、「このつまらない人生がずっと続くのか」と理屈で考えてしまったり、「世の中にもう楽しいことなんてないんじゃないか」と思い込んだりしがちです。でも、それは違います。たいていの場合は、ただの体調の問題なのです。元気になれば、また楽しくなります。

充実感や何かに感動する力といったものは、実は回復の過程において「一番最後」に戻ってくるものなのです。

楽しい感情は必ず戻ってくる

うつ病から回復する際も、まず不安感や焦燥感、不眠などが良くなり、意欲ややる気、「楽しい」「面白い」といった感情が戻ってくるまでには、数ヶ月から半年、場合によっては1~2年かかることもあります。エネルギーが十分に溜まって、満たされてからようやく感じられるものだからです。

ですから、焦っても楽しい感情はすぐには湧いてきませんし、必ず戻ってくるものなので安心してください。「つまらないな」と思っていても、それはたまたま今そう感じているだけで、あなたの考え方や環境のせいではありません。ただ単に疲れているだけなのです。

『葬送のフリーレン』のように
焦らずぼちぼち歩いていきましょう

ちょっとした環境の変化や、誰かとの出会いで変わることもあります。一番大切なのは、「ぼちぼち行くこと」です。ぼちぼちやっていれば、そのうち面白いことにも出会えます。

私は『葬送のフリーレン』というアニメ作品が好きなのですが、主人公のフリーレンは1000年以上という長い時を生きる中で、立ち止まったり、振り返ったりしながら、まさに「ぼちぼち」歩いていますよね。長生きで淡々と生きてはいますが、決して無感情ではありませんし、慌ててもいません。

あんなふうに、ぼちぼち歩いて、ぼちぼち立ち止まって……という生き方で良いのだと思います。そうしていれば、だんだんと素敵なタイミングが巡ってくるはずです。「無感情になった」「感動しなくなった」と感じても、諦める必要はまったくありません。それは今だけの話です。ぼちぼちいけば、なんとかなります。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。