もう1つは、海外のサウンドトラックの影響だ。劇伴音楽とは別に、さまざまなアーティストが挿入歌を提供する形式のサウンドトラックを聴いて、それが作品の魅力を高め、同時にサウンドトラックへの興味を引く上で非常に重要だと感じていた。

 また、自分なりにどのようなサウンドトラックが注目され、チャートで上位に入るのかをなんとなく分析していた。その中で見えてきたパターンの1つが、「歌が入っている」ということだった。

 この最もわかりやすい例は、ミュージカル映画作品だ。『アナと雪の女王』や『レ・ミゼラブル』『グレイテスト・ショーマン』のように、劇中で登場人物が歌うシーンがある作品には、音楽が主役になる瞬間がある。観客は物語に没入しながら、自然と歌そのものに耳を傾ける。

 歌は、インストゥルメンタル音楽よりも、普段人々が触れている音楽形態に近いため、より感情移入しやすい。だからこそ、ミュージカル映画のサウンドトラックは人気が高いのだと思う。

音楽が印象的な
ドラマBGMの特徴

 歌モノ以外でサウンドトラックが売れるケースとしては、作品自体が「音楽」を題材にしているということが挙げられる。木村拓哉さん主演の『ロングバケーション』(注2)や、エンニオ・モリコーネ(注3)の『海の上のピアニスト』(注4)のように、主人公がミュージシャンや作曲家である場合、劇中で彼らが演奏するシーンが音楽への注目を喚起する。

(注2)1996年にフジテレビ系「月9」枠で放送されたテレビドラマ。主演は木村拓哉と山口智子。主人公の瀬名秀俊はピアニストで劇中ではさまざまな楽曲が使われた。

(注3)1928年、イタリア生まれの作曲家。400本以上を手掛けた映画音楽界の巨匠で、代表作は『荒野の用心棒』『アンタッチャブル』『ニュー・シネマ・パラダイス』など。2020年7月6日に死去。

(注4)1998年公開のイタリアの映画。監督はジュゼッペ・トルナトーレ。エンニオ・モリコーネが手掛けた音楽は、ゴールデングローブ賞の最優秀作曲賞を受賞。