たとえば、チャールズ・ダーウィン。彼は1日に90分間×3回という働き方をして、あとは散歩をしたり、ぼーっとしたりしていたそうです。

 数学者のアンリ・ポアンカレ。彼の場合、働いたのは10~12時、17~19時の計4時間だったそうです。

 彼らは「長くがんばる」ことよりも、集中の質を守る生活環境の設計をしていたんですね。

 それに、自主的にリミットを設けたほうが、セントラル・エグゼクティブ・ネットワーク(CEN)のやる気も上がりやすいのです。なぜなら、

・「ここまででいい」とわかっている
・終わりが見えている

 という状態は、CENに余計な判断をさせないからです。CENの判断の負荷が減るので、ラクなんですね。ですから、集中する時間はなるべく削って、短く設定しておきましょう。

 効率を高めるためにこそ、がんばらない。この選択をできる勇気が、あなたにはすでに備わっているはずです。

行き詰まったときは
休む時間を挟んでみる

 セントラル・エグゼクティブ・ネットワーク(CEN)の効率を高めるために、「がんばらない」。あえてそうしたほうがいい場面のひとつが、集中できなくなったときや、考えが堂々巡りを始めたときです。

 そんな場面では、強引に前へ進もうとするより、いったん立ち止まったほうが、結果的にものごとが早く進むことがあります。そのタイミングで、脳の中のアーティスト、デフォルト・モード・ネットワーク(DMN)(編集部注/脳内にある4つの機能のうちの1つ。主に内省を担当し、自己理解・他者理解・創造などを担う)が、力を貸してくれることがあるからです。

 このことについて語っているのが、政治学者のグレアム・ウォーラス。彼は、著書『思考の技法』の中で、「創造的な問題解決のプロセス」について、次の4段階で説明しています。

(1)準備…………集中して、一生懸命に問題に取り組む
(2)温め…………いったん問題から離れ、心と頭を休ませたり、他のことをしたりする
(3)ひらめき……「これだ」と感じる発想が浮かぶ
(4)確認…………ひらめきを検証し、形にしていく

 ポイントは、「(1)準備」と「(3)ひらめき」の間に、「(2)温め」という「休む段階」が入っていること。ここでDMNが、いい仕事をしてくれることがあるんです。