中国のヒューマノイドが
サブスクで普及する未来
小泉 AIの反乱より気になるのは、熊倉さんの言うような人間による管理、「政府がAIをどう使ってくるか」ですよね。これから人々の話し相手はAIになっていくと僕は思いますが、「AIが人々にどう接するか」は、一部のテック・リバタリアンが握っています。
「世界中の人が日々対話する相手の人格をイーロン・マスクに握られている」ということですね。共産党は共産党で自分たちに一番都合のいいAIを作って、対話相手として人々に寄り添わせようとするでしょう。しかもChatGPT、Grok、Gemini クラスの高度なAIがつくれる国は限られています。人々の話し相手を用意できる、ごく一部の国だけに都合のいい世界観が蔓延していくかもしれません。
津上 AIの開発費は莫大ですし、日本もデジタル赤字です。かたや中国のヒューマノイドは「売値は2万ドル。プログラミングしなくても動画を見せれば、その通り真似して動きます」という触れ込みだそうです。
小泉 どのぐらいのレベルのヒューマノイドですか?人間そっくりな感じ?
『世界の大転換』(小泉 悠、SBクリエイティブ)
津上 ハーフマラソンも走っちゃう(笑)。どんどんこのレベルが普及すれば「ホワイトカラーの仕事はAIが代替。ブルーカラーの仕事はヒューマノイドがやります」となり、「人間は何をして食っていくんだ?」となる。「ベーシックインカムをあげるから、人間はもう働かなくていい」となるかもしれません。少子高齢化に悩んでいる日本こそ、数百万円で買えるヒューマノイドで代替する仕事が介護以外にもたくさんあります。それなのに「日本には開発費も技術力もない」となると、中国のヒューマノイドを買うしかない。「いや、サブスクリプションでもいいですよ」となると、「デジタル赤字とヒューマノイド・サブスクで、日本は毎年十数兆円の赤字」みたいな時代になるかもしれない(笑)。日本の自動車業界はいまだにEVの話で盛り上がっていますが、次に来る波は確実にヒューマノイドですよ。
小泉 今のお話が現実味を帯びているところが、やはり中国を侮れないところです。







