健康診断で「血圧が高い」と言われたら、まず何をすればいいのでしょうか?
東京農業大学で栄養について長年研究し、医師としても活動する田中越郎氏の新刊『医者が教える 栄養学的に正しい最高の食事術』をもとに解説します。
血圧が高い人が減塩しなければならない理由
食塩(塩化ナトリウム)を摂りすぎると血圧が上昇します。
高血圧は動脈硬化を引きおこし、やがて心筋梗塞や脳梗塞にいたります。
そこで減塩食がすすめられているわけです。
健康診断で血圧が高かった場合、食事指導で最初に言われるのが「塩分を減らしましょう」です。
日本人は1950年代までは1日平均15g以上の食塩を摂取していました。
その後「減塩」が推奨され、食事の欧風化もあり、徐々に摂取量が減り、2000年を過ぎた頃には約11~12gになりました。
ではどこまで食塩を減らせばいいのでしょうか?
厚労省が示している現在の目標値は、男性7.5g未満、女性では6.5g未満で、高血圧や腎臓病がある人は6.0g未満です。
外国では6g未満を目標にしている国が多いようで、WHOは5g未満を推奨しています。
しかし和食の場合は、普通に作りながら食塩だけを6gに制限すると、味的にはちょっと淡泊で、食欲をそがれてしまう人も多いようです。
WHOが推奨する食塩5gは、日本人には現実的ではない気がします。
食塩摂取量と血圧との間には、ある程度の関連があります。
しかしこの関連は個人差が大きく、食塩をたくさん摂ると血圧が上がりやすい人と、あまり上がらない人とがいます。
日本人の場合は大まかに言って、食塩で血圧が上がりやすい人が約2割、あまり上がらない人が約8割です。
前者の人はしっかりと減塩生活を守る必要がありますし、減塩食の効果も大いにあります。
後者の8割の人も、減塩しなくてもいいという意味ではありません。
減塩は、後者の血圧にもある程度は効果がありますし、腎臓の負担を減らす等の体にいいことがいろいろあります。
どんな人にもやはり減塩はおすすめです。
(本記事は、書籍『医者が教える 栄養学的に正しい最高の食事術』から一部抜粋・編集した記事です。)
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ひとつの論文やエビデンスだけを信じた食事では、栄養が偏ってしまいます。
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基本となる知識と具体的な食事術を学ぶことで「健康法」迷子から抜け出し、食事によって人生が変わる1冊です。
主要目次
第1章 まず知るべき「栄養と食品」の基本
栄養バランスは毎日考えなくていい─「1週間」でつじつまが合えばOK
「完全栄養食」を信じるな─「これだけを食べれば大丈夫」などありえない
トクホと「健康食品」はまったくの別物─機能性食品の違いをおさえる
第2章 「病気と栄養」の危ない関係
ジュースが危ない本当の理由─果糖とブドウ糖はヤバすぎる
「体にいい油」も要注意─変性すれば、すべて悪玉
「コーラで歯が溶ける」は本当─リン酸の強さとその代償
第3章 栄養学的に「ヤバい」食習慣
ファストフードで地雷を踏むな─シェイクのヤバさを知る
黒烏龍茶でチャラにはならない─「焼け石に水」で食べ過ぎを招く
プロテインが逆効果になる?─肝臓・腎臓が酷使される理由
第4章 頭が悪くなる「脳をダメにする」食事
ビタミン不足は静かに脳を鈍らせる─頭が悪くなる仕組み
「カルシウム不足でイライラする」のは本当か?─科学的根拠はない
「コーヒーを飲まないと頭が回らない」は危険信号─カフェイン依存のリスク
第5章 「体によさそう」に惑わされないための知識
野菜ジュースで「野菜」は摂れない─ビタミンCも食物繊維も抜けている
「グルテンフリー神話」に惑わされるな─アレルギーがなければ無視していい
サプリメントは買わなくていい─価格も品質も信用できない
第6章 「食べないほうがいい」食品の誤解を解く
コレステロールは敵ではない─体の必須成分と動脈硬化の関係
「白米を食べると太りやすい」のはなぜか─長所と短所を理解する
「うま味調味料=危険」は思い込み─グルタミン酸ナトリウムの正体
第7章 誰でもすぐに実践できる「栄養学的な食習慣」
チェーン店で健康的に食べる方法─最強はリンガーハットの「ちゃんぽん」
パフォーマンスを上げるには「お酢」を飲む─最速でシャキッとする
「腸活」ブームが見落としているもの─腸内細菌は大腸にいる
第8章 「体調と体質を改善する」食事術
風邪をひいたらホットジュースを飲む─「ダイダイ湯」「生姜湯」がいい
食べるべき食品ベスト1は「納豆」─ビタミンKが爆増する発酵の力
「なんとなく不調」なときは食べものを疑う─5つの食事リセット術
第9章 「ストレスから体と心を守る」食事術
老化と病気は抗酸化物質で防ぐ─「ポリフェノールたっぷり」に騙されない
「おいしく・安く・栄養豊富」な旬の食材を選ぶ─無駄にお金をかけなくていい
強いストレスには「動物性たんぱく質」と「ハーブティー」─メンタルを整える食事
第10章 「やせながら元気になる」栄養学的ダイエット術
「2日で1.5kg」は誰でもやせられる─大切なのは継続できるかどうか
リバウンドを防ぐための小さな工夫─体だけではなく「心の健康」を維持する
「体脂肪率」に振り回されるな─大切なのは「経過」を追うこと
第11章 「健康なまま長生き」するための食事術
「空腹は最強のクスリ」は本当か?─実践してわかった長所と短所
40歳から筋肉は勝手に減り続ける─寝たきり回避には「たんぱく質」が必須
発がん性物質を避けるには「焼く」よりも「煮る」─肉はマリネがおすすめ