プロとして当然の「打算」
これは恋愛観察であり人間観察

 視聴者として考えずにいられないのは、恋愛どうこうよりも、このメンバーが番組出演でどういったメリットを得ようとしているかである。

 出演者はいずれも成人であり、全員が人前に出る仕事をしている。「自分をどう見せるか」を考えてきたプロたちであり、何の打算もなく番組出演を選んだとは考えづらい。「打算」というと聞こえが悪いかもしれないが、これはプロとして当然の計算である。

 恋リア出演は、一気に好感度と認知度を上げる可能性がある一方で、好感度を下げてしまう場合もある。何かやらかしたわけではなくても、「他のメンバーより目立てなかった」「撮れ高がないと思われた」といった場合、特に今回のような出演者にとっては痛いだろう。それだけに、出演者がどのように振る舞うかを視聴者は見ている。

 アニメ化もされた人気漫画『推しの子』の中では、高校生同士の恋リアの中でも、出演者本人たちがキャラ作りや「演技力」が試される場であると自覚し、サバイバルする様子が描かれる。現在の恋リアは、「リアルな恋模様」と「出演者の自己プロデュース」を同時に鑑賞するという一面があり、視聴者からすれば恋愛観察であり人間観察の場でもある。

 番組MCのひろゆきと同様、はすに構えた視点からこの番組を見始めた人も少なくなかったはずである。

 しかしどうだろう。筆者は第2回にして「石丸って結構いいヤツかもしれない」と思ってしまった。これは番組の術中にハマっているに他ならない。

「演技」以上のものが
カメラに映るのか

 まず、「しんじ」(以降、番組での呼び名で記述する)については、番組MCたちから開始早々にツッコミが入りまくる。

 面倒くさい、好きになれそうにない、そういった感想があらかじめ共有されているので、ハードルが下がり切った状態からスタートする。これは逆に有利に働いている。「変なヤツだと思っていたけど、案外普通の感情があるのかも?」と思わせやすいからである。

 また、元ミス東大の「あさ」が、「しんじ」と高学歴のクセ者同士として、うまいコンビネーションを発揮している。「あさ」は、SNSでの発言がたびたび物議を醸すなど、良くも悪くも注目度の高いインフルエンサーである。

石丸伸二と神谷明采しんじ(石丸伸二)があさ(神谷明采)の背中に日焼け止めを塗ってあげるシーン (C)AbemaTV, Inc.

 今回も「自分よりハイスペの人しか好きになれない」と発言し、ひろゆきが「そんなにかわいくない」と感想を述べたことがネットニュースになって取り上げられていた。

 ただ、番組内での「あさ」は、婚姻届を持参して本気度が高いことをアピールするなど、番組を盛り上げようとする気概が見られる。「ハイスペしか好きになれない」発言も、求められる自分のキャラを演じているように見える。

「しんじ」は「しんじ」で、「本気(の恋)って何ですか? 恋愛に真贋があるっておっしゃってるんですよね?」などと、これまた面倒な発言で、自分の殻にこもりまくっているように見える。