航続距離・充電に課題、中韓に劣っている?

 1充電あたりの航続距離は、同クラスの中でとりたてて長くはない。ちょっとした遠出程度なら中継充電なしで十分こなせるレベル。

 充電率98%でスタート後、渋滞含みの市街地を中心に354.1km走行した時点で残り10%、これは100%換算で393kmというリザルト。メーター内のバッテリーメーター1%減につき約4km走れると思っておけばいいだろう。空調に暖房時の消費電力量を抑制できるヒートポンプを装備しているので、冬季でも300km以上は堅いと推察された。

 それ以上の長距離をワンドライブで走る場合、急速充電器を使った中継充電が必要になる。残り10%から30分急速充電を行った時の投入電力量は、航続距離にして約200kmぶんに相当する30kWh強。充電率の回復幅は53%だった。

 スコア的には、バッテリー容量60kWh級のBEVの中では、ごく平凡だ。eビターラと同じタイプのバッテリーをほぼ同量積む、中国BYDのコンパクトBEV「ドルフィン」なら、同じ時間で38~39kWhをチャージすることができる。韓国ヒョンデのミニBEV「インスター」(バッテリー容量49kWh)がちょうどeビターラと同じくらいの充電受け入れ能力だ。

 この点は、スズキ(と共同開発したトヨタ)の電動化技術が中韓に劣っているのではなく、充電によるバッテリー劣化のリスクを「相当に手堅く」みていることによると考えられる。

 しかし、これでは重量は大きいが一般的なリチウムイオン電池に比べて劣化への抵抗性が格段に高いリン酸鉄リチウムイオン電池を使用する意味が半減する。30分で36kWhくらい入るだけの電流を受け入れるよう、リプログラムしてもいいのではと思った。

急速充電をテスト中急速充電をテスト中。スコアは同クラスの高性能モデルに比べると平凡だったが、それでも30分で200kmぶんくらいの充電量は十分に確保できた Photo by K.I.
eビターラのテールエンドeビターラのテールエンド。バックドア右側の「ALL GRIP」は電動AWDを表す Photo by K.I.