eビターラのフロントビュー。実車のデザインのダイナミズムはなかなかのもので、車体長がクロスオーバーの人気モデル、トヨタ・カローラクロスより20cm以上短いようにはとても見えなかった Photo by Koichirou Imoto
昨今ノリに乗っているスズキ。インド工場で生産したクルマを日本に“逆輸入”する戦略が奏功している。とりわけ「最強コスパ」の呼び声高いのが、「eビターラ」だ。政府の大盤振る舞い補助金で、どれほど“値下がり”するのか?「安かろう悪かろう」のクルマではないのか、ロードテストを行ってチェックしてみた。【前編】(ジャーナリスト 井元康一郎)
「輸入車」の1位がスズキの快挙
日本輸入自動車組合は4月7日、2025年度の新規登録台数(販売台数)を発表した。前年の1位メルセデスベンツを抑えてブランド別ランキングのトップに躍り出たのは、なんとスズキだった(5万7360台を販売)。同ランキングで日本メーカーが首位になるのは初のことだ。
その理由は、スズキがインド工場で生産した輸入車が急増したから。24年秋に小型クロスオーバーSUV「フロンクス」、25年にクロスカントリー4x4「ジムニーノマド」と“逆輸入車”2モデルを投入したところ、いずれも人気となっている。
スズキは16年にもインドで生産した「バレーノ」を日本で発売したが、月販500台の目標に対して約4年間でわずか2500台ほどと惨敗。しかし今回のフロンクスとジムニーノマドのヒットで、汚名返上を果たしたと言えよう。
そして今年1月、スズキはまたもインド製の「eビターラ」を日本でリリースした。今度はバッテリー式電気自動車(BEV)だ。
BEVは、日本の乗用車マーケットにおけるシェアが2%程度にとどまる、非常に難しいカテゴリーだ。しかもスズキはこれまでリテール向けのプラグインカーを作ったことがないので、既納客の乗り換えは期待できない。スズキにとっては非常に難しいクルマである。
eビターラ注目の補助金額とは?
しかし今、このeビターラが大注目されている。それは経済産業省がBEV、プラグインハイブリッドカー(PHEV)、燃料電池電気自動車(FCEV)などの新エネルギー車に出す補助金の額の大きさだ。
BEVに対する補助金額は、最高130万円という大盤振る舞い。ただしメーカーや車種によって額が大きく異なり、最高額はトヨタ自動車と同社の高級ブランド、レクサスに対しての130万円だ。
スズキのeビターラも今年末までに登録すれば、全グレードで127万円の補助金がもらえる。トヨタ、レクサスと比べれば、eビターラは399.3万~492.8万円と車両価格が絶対的に安い。高いクルマ、安いクルマとも補助金額が同水準なら、安いクルマのほうが割引「率」は大きくなる。







