「とにかくデジタル化」を勧めるITコンサルの本音、一度の受注で何度も稼ぐ「儲けのカラクリ」とは?写真はイメージです Photo:PIXTA

「デジタル化によって業務課題を解決しましょう」――。コンサルティング業界では、こうした提案が“常套句”になりつつある。しかし、クラウドをあまり使っていない企業や、業務プロセスがアナログな企業が、必ずしも間違っているとは言い切れない。それでもコンサルがデジタル化を急かすのはなぜか。裏にある意図を、独立系コンサルの現役経営者が忖度なく解説する。(森経営コンサルティング代表取締役 森 泰一郎)

「デジタル化、デジタル化」と
念仏のように唱えるコンサル

「御社の営業プロセスをデジタル化すれば、大きな成果が期待できます」
「IT基盤を整備して、データを活用したマーケティングに取り組みましょう」

 近年、事業会社に勤める知人から「コンサルファームからこんな提案を受けた」と耳にする機会が増えている。

 提案を行っているのは、いわゆる「ITコンサル」。ITを活用した業務改善や「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」に強みを持つコンサル会社だ。

 各社はSaaS導入、ペーパーレス化の推進、業務システムのクラウド移行、データを活用した事業変革など、ITを駆使した多様なサービスを手掛けている。

 こうしたサービスの需要拡大を背景に、昨今はITコンサルが相次いで新規上場を果たしている。入社志望者も相次ぎ、ITコンサルが「就職・転職人気ランキング」の上位に入ることも増えた。

 しかし筆者の知る限り、「とにかくデジタル化しましょう」と急かされた企業の中には、「本当に業務が効率化されるのか」「コンサル会社が利益を得るための提案ではないか」と疑念や不安を抱く現場社員が少なからず存在する。

 にもかかわらず、なぜITコンサルは「デジタル化、デジタル化」と念仏のように唱えるのか。今回は、その理由を解説していこう。