流儀4、瓶ビールのグラスは小さいほうがいい。

 たばこサイズの小さいグラスがありますよね。岡野さんはそのサイズがビールをいちばんうまく飲めるグラスだ、あれが出てくる店はいい店だ、って言います。グッと2口、3口で飲み干せるあのサイズがいちばんうまい、できるだけビールを瓶のなかにいさせたいんだ、って。たまに細長くて背がちょっと高い、けっこう量が入るようなグラスが出てきますけど、あれだとダメなんですね。

流儀5、グラスは2本の指で持つ。

 岡野さんは親指と人差し指でグラスの上のほうをもって飲みます。あとちょっと力を抜いたら落っこちちゃうんじゃないか、それくらいの力加減でプラプラさせながら。UFOキャッチャーのアームみたいなことをやってます。

 岡野さんはこの流儀で瓶ビールを楽しんでる。というより瓶ビールで遊んでる。この遊ぶ感じ、私はすごく共感できるんです。岡野さんも私もたぶんちょっとまだ子どもなんですよ。

グラスに注ぐひと手間が
ビールをより美味しくさせる

 子どものころ、父親が酒飲んでるのをマネしませんでしたか?ペットボトルのキャップをさかさまにしておちょこに見立てて、ジュース入れて「日本酒うめー」とか言って飲んだりしませんでしたか?

 キャップにちょっとずつ入れて飲む、あの作業が遊びなんです。ちょっとひと手間あったほうが楽しいんです。だから瓶ビールって最高なんですよ。瓶があって、コップがあって、自分で1杯1杯注いで飲むっていう、これが楽しいんですよ。誰かに注いでもらって飲むのも、生をジョッキでぐいって飲むのも、なんだか味気ない。飲む前に自分でなんか1個やりたいんです。贅沢言えば、栓も自分であけたいですもん。

 だから瓶ビールは知育菓子ならぬ、知育飲料なんです。岡野さんも私もそこに惹かれるんです。

 私はハイサワーとかホッピーも好きなんですけど、それもやっぱり飲む前にひと手間あるからです。ハイサワーはサクマドロップスみたいに色も味もいっぱいあってまず選ぶのが楽しい。それを自分で割りながら飲んでいく。