実行にあたっては「県別会議」を設置し、4県別に「利便性向上」「利用促進」「その他」の3項目について検討を進めた。JR四国単独の取り組みにとどまらず、駅を中心としたまちづくり、鉄道とバスの一体的な公共交通ネットワークの形成、観光振興の取り組みなど、自治体や他事業者と協力した施策に着手したことは特筆に値する。
計画はJR四国全線区の「平均通過人員(輸送密度)」を基本指標、「列車キロ平均輸送人員」(列車運行本数に左右されない1列車あたりの利用人員)を関連指標に定め、2019年度と同水準まで回復させる目標だったが、人口減少の加速やコロナ禍による移動需要の減少などもあり、全線区で目標未達となった。
コロナ禍直後に策定された計画であり、目標設定の妥当性は評価困難だ。対2019年で沿線人口が1割以上減少した線区もあり、最大の幹線である予讃線高松~松山間ですら4%減少している。5年の空白は既に取り戻せないのだ。
始発列車が並ぶ高松駅(筆者撮影)
だが、より大きな問題は、ほとんどの線区で輸送密度の減少率が沿線人口の減少率を上回ったことだ。3月に発表した「5カ年推進計画2021~2025総括的検証報告書」は、「四国内全域で沿線人口の減少が加速しており、特に通学定期利用層は今後急速に減少が進む見込みであるため、さらなる輸送需要の減退が懸念される」との危機感を示している。
ローカル鉄道存廃の
基準となる輸送密度
鉄道事業、非鉄道事業の事業戦略は次回で取り上げるとして、今回の記事で指摘しておきたいのは、JR四国の経営問題は日本のローカル鉄道問題の縮図であり、核心であるということだ。
鉄道の特性は大量輸送にある。かつて国鉄改革では、輸送密度4000人未満の路線は「鉄道としての使命を終えた路線」として、原則、廃止バス転換が進められた。JR東日本、JR西日本、JR九州が現在「利用の少ない線区」として発表する路線の基準は2000人だ。







