そうした中、2023年に改正された地域公共交通活性化再生法は、鉄道事業者・地方自治体からの要請に基づき、国が組織する再構築協議会を通じてローカル鉄道の再構築を検討する仕組みを導入した。
同法も「大量輸送機関としての鉄道の特性を生かした地域旅客運送サービスの持続可能な提供が困難な状況にあるとされる区間」の目安を4000人未満としているが、協議会の設置基準は当面、1000人未満とした。
協議会は存続、廃止の前提を置かずに議論するとしているものの、実際のところ、1000人を下回る路線を鉄道として維持するのはかなり厳しい。前回取り上げたJR北海道の事例では、200人未満の線区を「赤線区」、2000人未満の線区を「黄線区」としているが、黄線区で1000人を超えるのは富良野線のみだ。同社は、黄線区は単独での維持が困難として沿線自治体に支援を要請している。
赤字路線でもバス転換できない
JR四国の構造的な問題
ところが、JR四国を見ると事情は全く異なる。2024年度に輸送密度が1000人未満だった線区は、土讃線須崎~窪川間(891人)、牟岐線阿南~阿波海南間(352人)、予讃線向井原~伊予大洲間(334人)、予土線北宇和島~若井間(250人)の4線区のみ。1000人以上、2000人未満の線区も鳴門線池谷~鳴門間(1801人)だけだ。
2024年度の線区別輸送密度 拡大画像表示
両社の路線を比較すると「厚み」が圧倒的に異なることが一目瞭然だ。国鉄時代の基準4000人を超えるのが7線区、その他も現代的な2000人、1000人の基準をほぼ満たしている。にもかかわらず、JR四国の鉄道事業が100億円以上の赤字を出していることは看過できない。
輸送密度が数百人の路線は廃止バス転換の検討もやむを得ないが、2000人クラスの利用者をバスで引き受けるのは困難だ。つまり、JR四国の路線はほとんどが、赤字であっても鉄道でなければならないのである。







