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普通の田舎町だった北海道のニセコ町は、いまや世界的なリゾート地となった。超富裕層向けの別荘が立ち並び、地価は300倍に跳ね上がった。しかし、華やかな世界の裏で、日本に税金が落ちない構造が生まれている。ニセコで初めて外国人に土地を売ったリゾートプロパティージャパン株式会社の代表取締役・大久保実氏が、20年以上にわたり見てきたニセコバブルの実態とは?※本稿は、ジャーナリストの吉松こころ『強欲不動産 令和バブルの熱源に迫る』(文藝春秋)の一部を抜粋・編集したものです。
ニセコの地価は24年前に比べて
300倍に跳ね上がった
大久保実氏は、今からさかのぼること24年前に、ニセコエリアの倶知安町で、土地を売った。
2002年2月のことだった。買ったのはオーストラリア人で、名前は、ジョン・スミス(仮名)と名乗った。
「コンドミニアムを建てて、オーナーになりたいんだ」
当時28歳だった大久保青年は、辞書を引きながらジョンの言うことを翻訳し、「こんなへんぴなところで宿泊施設をやるなんて本気かよ」と思った。
バブルが崩壊し、国内のスキー場はどこもつぶれるか、つぶれる寸前かだった。1987年公開の映画『私をスキーに連れてって』で生まれたスキーブームに乗り、脱サラしてペンションオーナーになった人たちが、次々と廃業に追い込まれていた。
200坪の売値は、300万円。坪単価でいうと、1万5000円だった。
おそらくこれが、ニセコエリアで初の外国人による土地購入だった。同時に、大久保青年にとっても人生で初めて外国人と交わす売買契約だった。
彼が売ったその土地は倶知安町ヒラフと呼ばれる地域で、2025年11月現在、坪単価は、450万円をつけているという。







