おカネは“プールに貯めた水”のようなもの
そのままにしておくと濁って飲めなくなるので、循環が大切!

――それで、憧れの日本に住むことになったんですね?

ボビーさん いったんナイジェリアに戻って、3年後の1998年に再訪日したんだ。買付のための出張だったんだけど、カラオケやクラブ、ゲームセンターとか、当時のナイジェリアにはないものだらけ。日本での滞在がとても楽しくてね。そのまま日本で知り合った友人たちとルームシェアして、日本で働き始めることにしたの。

――その後、テレビのバラエティ番組に出演するようになり、総合格闘技にもチャレンジするなど、大活躍されるわけですね。そのうえ、投資家・実業家としても成功を収めているなんて、すごいの一言です。

ボビーさん 全部が全部、成功しているわけじゃないけどね。5回チャレンジして、3回成功すれば御の字というのが“ボビー流マネー術”の極意なんだよ。失敗してもいいから、とにかく数多くチャレンジしてみる。ハムスターを牛に変えた“わらしべ長者”投資だって、やってみないことには何がどうなるのか、わからなかったわけだからね。

 それに、失敗することも経験になる。「同じことは二度とやらない」と線引きできるようになるのは、ある意味、成功だと言えると思うよ。そう考えると、全部成功していることになるのかな(笑)。

――これまでに、どんな投資をしているのですか?

ボビーさん 株もやっているし、不動産も、FX(外国為替証拠金取引)も、暗号資産も手当たり次第やっているよ。それも、日本だけじゃなく、アフリカ、欧州、豪州など、ありとあらゆる国で。不動産は数十カ所に持っているよ。

――すごいですね! 国や投資対象は、どんな目安で決めるのですか?

ボビーさん 貿易の仕事で世界中を飛び回ったので、「この国では、どんな資産が値上がりしそうなのか?」というのが何となくにおいでわかるんだよ。AI関連は、この先どんどんデータセンターが建設され、膨大な電力消費を賄う発電所の建設も進むと思うよ。だから、エネルギー関連やデータセンター関連の株もけっこう買っているよ。

――不動産を数多く保有されているのはどうしてですか?

ボビーさん 不動産は、生きていくのに欠かせない“衣食住”のひとつで、もっともおカネが動くから。この先、AIがどんなに進化して、社会や経済がどれだけ様変わりしても、“衣食住”に関するビジネスは絶対になくならない。そう信じているからね。ちなみに、日本では、山も買っているんだ。

――それはまた、どうして?

ボビーさん 仮におカネがなくなったとしても、山があれば、野菜を育てたり、鶏を飼ったりして自給自足できるからね。要するに、生きてはいける。投資をするうえで大切なのは、とにかくおカネだけを残そうとしないこと。この先、インフレが進んで、おカネの価値がどんどん目減りしていったら、一体どうなると思う?

 将来の暮らしに困らないようにするには、現物の資産を持つことが大事だと思うよ。オレは今でも鶏や牛を飼っている。その理由は、自分の投資の原点を忘れないことに加え、いざとなったら、それを食べりゃいいと思っているからなんだ。

――勉強になります。いずれにしても、預貯金だけではダメってことですね。

ボビーさん オレは、おカネは「プールに溜めた水」のようなものだと思っているんだ。ただ溜めておくだけだと、水がどんどん濁って、飲めなくなり、泳げなくなってしまうだろ。いつでも飲んだり、泳いだりできるような状態にするには、水を循環させなきゃいけない。ただし、預貯金の全部を投資に回せと言っているわけじゃないんだ。自分に合ったかたちで、適切な量を循環させることが大切だと思うよ。

――投資に失敗はない、というのが“ボビー流”の考え方だというのは、よくわかったので、聞き方を変えてみます。これまでに大損した経験はありますか?

ボビーさん うーん、それはやっぱり去年、離婚したことかな(笑)。二十数年連れ添った奥さんと別れて、相当な金額の慰謝料を払ったからね。それに、とある音楽イベントを企画して、1億円近い損失を出したこともある。ただ、どっちも失敗を恐れて何もしなかったのではなく、ちゃんと経験につながっているので、授業料だと割り切っているけど。

――ボビーさんが今後、投資してみたい国はどこですか?

ボビーさん 自分の生まれ故郷だから、というわけじゃないけど、やっぱりナイジェリアかな。人口は約2億3000万人と日本の倍近くに上るし、若者が多いので、これから爆発的に成長する伸びしろがあると思う。

 日本も有望だよ。こんなに平和で、みんながルールを守り、ちゃんとした社会システムが整っている国は世界中どこを探してもない。その良さをうまく生かすことができれば、日本はもっと成長できるんじゃないかな。あとはみんなの頑張り次第。期待してるよ。