窮地のロシアを救ったイラン危機…遠のくウクライナ和平、支援する日本の課題は?Photo:Thierry Monasse/gettyimages

窮地に立たされていたロシア政府

 イラン攻撃前のロシア財政は、窮地に追い込まれていたと言っても過言ではない。実際、ロシア連邦政府の2026年1~3月の財政収支は、4.6兆ルーブルの赤字に達した。これは名目GDP比1.9%に相当する水準である。予算で計画された通年の財政赤字目標(▲3.8兆ルーブル、GDP比1.6%)を3カ月で上回った。

 これを受け、軍事支出・社会保障費などを除く歳出について、一律10%の削減を検討している旨が報じられるなど、ロシア政府は財政面においてすでに防戦を強いられ始めていた。

 こうした想定以上の赤字拡大の最大の要因は、石油・ガス収入の下振れだ。

 連邦政府の税収は、個人所得税の大半が地方政府(連邦構成体)に配分されるほか、法人利潤税についても税収の多くが地方政府に帰属する。このため、連邦政府の歳入構造は石油・ガス収入への依存度が高く、原油価格などの外部環境の影響を極めて受けやすい。

 1~3月の石油・ガス収入の実績は1.4兆ルーブルで、通年見込みである8.9兆ルーブルに対する進捗(しんちょく)率は約15%にとどまった。単純に年率換算(4倍)すると年間では約5.6兆ルーブルとなり、予算に対して大幅な未達となる計算である。