「ゼロを超えてプラス」を目指す
リジェネラティブデザインとは?
GWが行楽に最適なのは、梅雨入り前の新緑がまぶしい、まだ暑さがそれほど厳しくない、1年の中でも比較的過ごしやすい時期だからだ。もっとも近年は、そんな季節の特徴が薄れつつある。言うまでもなく気候変動が年々著しくなってきているせいだ。
気候変動をはじめとする環境問題への対策に際し、「サステナビリティ(持続可能性)」というキーワードが長らく使われている。
だが、この言葉は「sustain(持続する)」の派生語であり、「なんとか細々と生きながらえる」といったニュアンスがあるのではないだろうか。少なくとも現在主流の環境対策は、人間が傷つけた自然を元の状態に戻す、「マイナスをゼロに」を目指しているように思える。
しかしここにきて、ゼロに戻すだけでなく「ゼロを超えてプラス」を目標にする動きが出てきた。主に生物多様性の目標として語られる「ネイチャーポジティブ」、そして環境の再生をめざす「リジェネラティブ」である。
今回2番目に紹介するのは、後者の最新動向を22の実践事例を紹介しながら示す『リジェネラティブデザイン』(英治出版)だ。
編著者としてクレジットされているgreenz.jp(グリーンズ)は、環境問題・社会課題を解決する国内外の事例やアイデアを発信するウェブマガジンであり、本書は同メディアの連載「リジェネラティブデザイン」から22の記事を選抜し、加筆・修正を加え、再構成したものだ。
誰でも簡単に始められる
「コンポスト」による環境再生
本書によれば、リジェネラティブとは「一度失われたり損なわれたりしたものを元に戻すだけでなく、関係性や仕組みそのものを再生、更新し、以前よりも豊かな状態を生み出していく」ことだ。リジェネラティブデザインは「自然環境の再生と同時に、社会と私たち自身もすこやかさを取り戻すような画期的な仕組みをつくること」と定義されている。
例えば、自らを「菌築家」と名乗る小野司さんは、土中の「菌のつながり」を生かした建築設計を世界中で行っている。







