神取しのぶ(現・忍)氏 Photo:SANKEI
プロレスにおいて、事前の打ち合わせに基づかない、ガチンコ(真剣勝負)や殺し合いに近い危険な実戦対決を示す「シュート」。そんなシュートマッチの中でも、いまだに語り継がれるのが女子プロレスのジャッキー佐藤vs神取しのぶ(現・忍)の試合だ。リングアナウンサーとして、実際の試合を至近距離から目撃した山本雅俊が、当時の真実を明かす。※本稿は、プロレスラーの佐山聡、藤原喜明、川田利明、船木誠勝ほかの『証言 プロレス界ケンカマッチの真実』(宝島社)の一部を抜粋・編集したものです。
「聖なるケンカマッチ」とは
真逆のシュートマッチ
女子プロレスにおけるケンカマッチ、不穏試合を語る時、避けては通れないのがジャッキー佐藤vs神取しのぶ(現・忍)の凄惨すぎるシュートマッチだ。
1987年7月18日、ジャパン女子プロレスの神奈川・大和車体工業体育館大会で事件は起きた。39年も前のことになるが、この長い月日の間に、伝説の試合として神格化されすぎてしまったきらいはある。
2015年2月22日に後楽園ホールで世IV虎(現・世志琥)と安川惡斗が「顔面破壊マッチ」をやらかした時、ジャッキーvs神取の話題が蒸し返されたが、その際「聖なるケンカマッチ」と報じた記事を読んで「いったいなにを書いているんだ?」と憤慨した人間がいる。
あの時、リングアナウンサーとして、至近距離からジャッキーと神取の闘いを直視していた数少ない目撃者である山本雅俊だ。
「こうやって事実というのは捻じ曲げられていくんだな、と思いましたね。あの場に立ち会った人間としては、とてもじゃないけど“聖なる”なんて言葉は使えない。まったく逆の試合ですからね」







