天然の森では、地下に巨大な菌糸のネットワークが存在し、植物と有益な共生関係を築いている。従来の建築では、菌糸を含む土を捨ててしまったり、コンクリートで蓋をしたりするが、小野さんは菌のつながりによる生態系を壊さないよう配慮した工法を実践する。「地球を守ろうとよく言いますが、人間は、地球の管理者でしたっけ?」という発言にはハッとさせられる。

 もっと身近な、誰にでも始められるリジェネラティブデザインも紹介されている。たいら由以子さんが普及活動を行っている、生ごみを堆肥に変える「コンポスト」だ。

 たいらさんは、地域で食べものが循環することを意味する「ローカルフードサイクリング」を推進しており、その一環として「バッグ型LFCコンポスト」を開発した。スタイリッシュでコンパクトな、約2キログラムのバッグの中でコンポストを行う。生ごみ、堆肥を扱うことへの抵抗をなくし、おしゃれな見た目から、気分を上げながら社会貢献ができるとあって、これまでに10万世帯以上が利用しているそうだ。

「自然を守らなければ」といった切迫感からではなく、前向きで未来に希望を抱きながら実践できるリジェネラティブデザイン。行楽地の、あるいは近所の散歩コースにある新緑を眺めながら、この新しい動きに期待を寄せてみてはいかがだろうか。

スキルとしての「センス」を
磨くメソッドを解説

 連休で気持ちをリフレッシュさせたい。あるいは連休中に刺激を受けることで、新たな視点で仕事を再開したい。そんなあなたに適した書籍を最後に紹介しよう。『こうやって、センスは生まれる』(SBクリエイティブ)だ。

 マルちゃん正麺のパッケージデザインをはじめ、幅広い分野で広告のポスター、パッケージ、ロゴマーク、キャラクターなどをデザインするアートディレクターの秋山具義氏が、さまざまなビジネスシーンでも役立つ「センス」を鍛えるメソッドを解説している。