◆天才が就活で送ったレジュメが、あまりに現実的すぎてグサッとくる
【悩んだら歴史に相談せよ】『リーダーは日本史に学べ』の著者が、舞台を世界へ広げた『リーダーは世界史に学べ』。東京大学・羽田 正名誉教授の監修のもと、世界史に名を刻む35人の言葉から、現代のビジネスに必要な「決断力」「洞察力」「育成力」「人間力」「健康力」と5つの力を磨く術を解説する。
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「求められるもの」に応じて創造する
“応答型の天才”ダ・ヴィンチ
求められるものに応える「応答型の天才」
レオナルド・ダ・ヴィンチといえば、空想の中で自由に発想を広げる「孤高の天才」というイメージがあるかもしれません。しかし実際のダ・ヴィンチは、自分の能力を社会にどう役立てるかを常に模索し、時代のニーズに応じて創造する「応答型」のクリエイターでした。その姿勢が最も顕著に表れているのが、ミラノ公へ送った自薦状(レジュメ)です。
「私には、兵器を発明する秘密の技術があります。もし採用していただければ、いつでもその効果をお見せしましょう。平和な時代には、建築や運河の建設において、誰にも引けを取らない仕事をいたします。また、彫刻や絵画においても他の誰より優れており、一族の栄光を記念する青銅の馬を制作することも可能です」
この自薦状は単なる自己アピールではありません。「あなたのために何ができるか」という、極めて実践的な提案だったのです。ダ・ヴィンチが実際に生み出した構想や創造物を、この自薦状の言葉に沿って見ていきましょう。
時代が必要とした「軍事技術」への貢献
「私には、兵器を発明する秘密の技術があります」
ルネサンス期のイタリアは、都市国家同士の争いが絶えない時代でした。パトロンを得るためには、芸術家であっても軍事的な貢献が不可欠だったのです。ダ・ヴィンチはこの現実を冷静に受け止め、数々の独創的な兵器を構想しました。
機関砲型装置:複数の砲身を備え、連続射撃を可能にする車輪付きの装置
巨大な弓型兵器:視覚的にも人間を威圧する設計
白兵戦用武器:独自の設計による斧、槍、刀など
これらの多くは当時の技術では実用化が困難でしたが、その設計思想には、現代にも通じる「先を読む力」と「技術への深い洞察」が凝縮されています。



