理由もなく、なんとなく心が空っぽになることがある。大きな失敗をしたわけでもないのに、やる気が出ず、満たされない――そんな感覚に襲われたことはないだろうか。日韓累計45万部を突破したベストセラー『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』(キム・ダスル著、岡崎暢子訳)の発売を記念した本記事では、ライターの柴田賢三氏に、「心がすり減ったときの立て直し方についてご寄稿いただいた。(企画:ダイヤモンド社書籍編集局)

【がんばれパンチ】子猿の「パンチくん」にハマる人が続出した、納得の理由とは?Photo: Adobe Stock

パンチくんと共に
「さみしさ」に耐えている

 少し前に「パンチくん」という子猿が話題になった。

 説明するまでもないが、母猿に育児放棄されて人工飼育に切り替える過程で、母猿代わりのオランウータンのぬいぐるみを与えたところ、それを大事に抱えて懸命に生きる姿が健気だと人気が爆発。千葉県市川市の「市川動植物園」に来園者が殺到し、海外からもファンが押し寄せるほどバズっていた子だ。

 パンチくんは、群れになじむために他の猿との距離を詰め、自ら率先してコミュニケーションをとろうとしていたが、仲間外れにされたり、池に突き落とされたり、散々な目に遭っていた。

 そうやって傷つくたびに母猿代わりのオランウータンのぬいぐるみ、通称「オランママ」をぎゅっと抱きしめて、さびしさを紛らわせていた。

 この子がこれほど人気者になった理由は、世界中の人々が自分の境遇と重ねているからだろう。つらい日々でも前を向いて頑張り、さびしさに耐えているのだ。

 私も今、仕事が減っているのに娘が中学生になって焦っているが、私にはオランママがいない。いたところで、50過ぎのおっさんが抱きつくわけにもいかない。

心が空っぽのときは
「大好きなコンテンツ」に頼る

 しかし、“人生の指標”となる言葉の数々を収録している本、『人生は「気分」が10割』の中には「心が空っぽのときは『大好きなコンテンツ』に頼る」という項目がある。

 著者のキム・ダスル氏は、「給料日前の財布みたいに、心だってすっからかんの日がある。語る言葉が心の中のどこにもなくて、何も話せないようなとき」の対処法を教えてくれている。

 そんなとき僕は、大好きな作家の本を読む。大好きな監督の映画を見る。大好きな歌手の歌を聞く。大好きな作品には、今の気分にぴったりのすてきなフレーズがたくさん詰まっているから。
――『人生は「気分」が10割』(p.51)

 私の場合、別に何かで大きな失敗をしたわけではない。仕事も収入も減ってはいるが、ゼロにはなっていない。ちょっとした人間関係のわずらわしさもいくつかあるが、すべてを投げ出したいほどじゃない。

 ただ、「心が空っぽ」という感覚はあるから、しばらくはパンチくんの動画で癒されるしかない。

 パンチくんは諦めずに仲間を作る努力を続け、もう今はオランママをほとんど必要としなくなっているそうだ。

 私も、パンチくんの動画から卒業できるように頑張ろう。

(本稿は、『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』の発売を記念したオリジナル記事です)

柴田賢三(しばた・けんぞう)
大学卒業後、複数の出版社や不動産会社での社員を経てフリーライターとして独立。週刊誌、月刊誌、WEBメディアなどで記者、編集者を経験した。事件、芸能、スポーツ、サブカルチャーまで幅広く取材に携わり、のちに新聞やテレビでも大きな話題になったスクープをモノにしたこともある。