「何かあったら言って」と声をかけても、部下はたいてい何も言えません。立場の差がある相手に必要なのは、やさしい丸投げではなく、悩みを言葉にしやすくする具体的な問いです。
SNSでビジネススキルについて情報発信を行い、総フォロワー数が37万人を超え、『コンサル時代に教わった 仕事ができる上司の当たり前』の著者である「にっしー社長」こと西原亮氏に教えてもらった、誰でも「しごでき」になれる令和リーダーの基本を本記事で紹介します。

「何かあったら言って」と言わない
上司は部下の相談にのることも重要な役割です。
仕事の悩みだけではなく、場合によってはプライベートの相談もあるかもしれません。
上司として、できる限り部下の悩みを解決しようとする姿勢は、大変すばらしいです。
一方でこんな相談もSNSでよく寄せられます。
「部下の悩みを聞こうとしてもなかなか言ってくれない」
「何かあったら、なんでも言ってと伝えているのに、みんななかなか言わない」
あなたにも似たような経験はないでしょうか?
1on1での会議をしているときに、部下の表情が曇っていたので「何か悩みはない? 何かあったら言って」と声をかけたにもかかわらず「大丈夫です」と一言だけ伝えられたり、または、黙ってそのまま座っていたり……。
ここで上司が理解しなければならないことがあります。
それは「何かあったら言って」と言われても、部下は言えるわけがないということです。
上司と部下は役職に上下があり、明確な指揮系統が存在し、裁量権も違います。
コミュニケーションをするハードルが高いのが一般的です。
また部下にも、「何かあったら」を言葉通りに受け取って相談したのに、何の解決にもならなかった経験が過去にあるのかもしれません。
では、どうしたらいいのでしょうか?
部下の悩みに対して、上司が仮説を持って質問を投げかけることが必要です。
具体的に以下の例を見てみましょう。
良くない例:
部下から「悩みがあって……」と打ち明けられた上司は「何かあったら言って」と言うものの相手は目の前で黙ってしまう。
そこで上司は過去の経験とカンから「仕事の給与で悩んでいるのではないか?」と伝えますが、部下は違うと言ってしまう。
正しい例:
まず、上司は部下の悩みとは何かを頭の中で洗い出します。
仕事なのか、プライベートなのか。仕事ならば業務、給料、対人関係、仕事の環境による悩み事があるのではないか、などです。
そして部下の悩みを分解し、一つひとつ相手に投げかけていきます。例えば仕事の悩みなのか、プライベートの悩みなのか、といった具合です。
ここで大事なことは、一つひとつ質問をする際に、部下が「はい」か「いいえ」で答えられるクローズドクエスチョンにすることです。
オープンクエスチョン(「はい」か「いいえ」で答えられない質問)は極めて答え方に困ります。
一方で二択で答えられるクローズドクエスチョンは相手の悩みを把握するために非常に有効な手段です。
相手に質問をするときは「部下の悩みとは一体どんなものがあるだろうか?」という視点で洗い出した仮説について、クローズドクエスチョンを投げかけます。
その結果、部下の本当の悩みにたどり着くことができるのです。
ぜひ「まずは仮説を持って質問を投げかける」という癖をつけるようにしてください。
(本記事は、書籍『コンサル時代に教わった 仕事ができる上司の当たり前』から一部を抜粋・編集し作成しました)














