「仲良くしなければ」という圧力が苦しくなってひとりになりたいとき、そう感じているのはあなただけではないかもしれないということです。あなたが「ひとりになりたい」と言うことで、誰かがほっとするかもしれません。

 ですが「ひとりになりたい」と率直に言うのは勇気が要ると思います。あなたと一緒にいたい、つながりたいと願っている誰かにとっては、拒絶されたように感じてしまう可能性があるからです。そんなときは「ちょっと用があるからしばらく離れるね」と当たり障りのない理由をつけておくことが自分を守ってくれるかもしれません。この場合、「ちょっと用」とは「ひとりになる」ということなので、嘘にはあたりません。

 人の内面は、誰からも見えません。伝わるのは言葉と行動だけです。つまり、内心で何を考えていても、それを言葉や行動に乗せなければ相手には伝わらないということです。自分が感じていることと、実際の言葉や態度との間に境界線を引くことも、苦手な相手から自分を守ってくれることに役立ちます。

「言葉と行動」を
上手に使って自分を守る

 自分を守る安全な境界線を引き直すためにも、この「言葉と行動」を上手に使うことが重要です。たとえば相手と意見が違っているとき、自分の意見を飲み込んでしまうともやもやしてしまいますし、意見を飲み込みすぎるとどんどん「私は私」が薄くなってしまいます。

 かといって、言葉の選び方を間違えると、ただ意見が違うだけなのに相手を否定しているような言い方になってしまい、今度は相手の境界線を踏み越えてしまうことになるので注意が必要です。

 そもそも私たちは、相手と考えや価値観、好きなものや嫌いなものが違っていると、ついつい「どちらかが間違っている」ととらえてしまいます。自分が間違っているように感じて自分の感じ方を否定してしまったり、相手の「間違い」を正そうと説得したり、相手の感じ方を否定して遠ざけようとしたりです。でも本当は違っているだけ、なのです。