
「どうしても苦手なあの人と毎日顔を合わせるのがしんどい...」そんな状況は誰にでもある。わかりやすく距離を置くのは簡単だが、それでは相手もいい気はしないだろう。そこで参考になるのが、禅の教えにおける「縁」の考え方。人付き合いのストレスを和らげるヒントがあるはずだ。※本稿は、泰丘良玄『しんどさの癒やし方:不安になったらいちばん最初に読む本』(アルソス)の一部を抜粋・編集したものです。
仕事は選べても上司は選べない
この世は「ご縁」で回っている
毎日顔を合わせなければいけない職場に、自分の苦手な人がいるというのはつらいですよね。できることなら、嫌な人とは働きたくない。誰もが感じる当然のことだと思います。
私自身も修行時代は、人間関係でいうと嫌な思い出のほうが多いです。
修行道場というのは特殊な世界で、学歴不問、職歴不問、年齢不問の世界。入門した順に序列が決まり、先輩後輩の上下関係が徹底された体育会的な環境です。
そのため、普通の学生生活を謳歌していた私自身も大変苦労しましたし、嫌味な先輩や苦手な先輩はたくさんいました。
正直な話、「修行道場を出たら覚えていろよ!」と逆恨みをしていた時期もあります。
仕事や職場は選べても、上司や部下は選べない。まさに社会で働く上での宿命のように思います。
仏教でも、人との出会いや別れ、そしてつながりであるご縁を大切にしています。
もちろん、それが自分にとってプラスな出来事、楽しく嬉しい出会いであれば、ご縁に感謝することも素直に受け入れられるかと思います。