識学大全 思考法・スキル・リーダーシップ #8

リーダーといえども人間。部下と会社の愚痴を言い合いたくなる日もあるだろう。遅くまで残っている部下を見かければ「頑張っているね」と声を掛けたくなるはずだ。ところが実は、そうした上司に結果はついてこない――。シリーズ1作目『リーダーの仮面』(ダイヤモンド社)のエッセンスを凝縮して、部下と淡々と向き合って成果を出す秘策を伝授する。特集『識学大全』(全12回)の#8では、後編として、「識学」のメソッドにもとづいた「利益アップ」「評価」「育成」の要諦をお届けしよう。(ダイヤモンド編集部)

本当の「利益」がなければ
部下はついてこないと心得よ

 前編に引き続き、マネジメント術「識学」をベースにした「リーダーの仮面」という武器を皆さんに授けていきます。

 仕事に限らず、人間はどんな理由で行動するのでしょうか。「楽しいから」など、きっかけは多々あります。こうした動機を突き詰めて考えると、マネジメントに応用できます。

 結論からいうと、人は自分に「利益」があると判断したときに動きます。「リーダーについていきたいかどうか」も「自分にとって利益があるかどうか」で決まります。これが、「リーダー必須『5つのポイント』」の3つ目です。

※1つ目・2つ目のポイントは#7「カリスマ性ゼロ」でも勝てるリーダーになる秘策とは?【『リーダーの仮面』のエッセンスを凝縮!前編】を参照。

 部下が表向きは「楽しく働ければ満足です」といっていても、内心は「仕事に厳しくても、自分に成長をもたらしてくれる上司についていこう」と思っているかもしれません。人には本音と建前があり、常に言行一致しているわけではないのです。

 そのことを念頭に置いて、部下にとって「本当の利益とは何か」を見極めながらマネジメントすることが、人を動かす上で大事です。

 今回はそのための手法に加え、部下を正しく「評価・育成」して結果を出す方法を、次ページ以降で詳しく解説しています。勝てるリーダーが「夜遅くまで頑張る部下」を評価しない理由にも迫ります。