持ち込みして、編集者にダメ出しされて、粘ってねばって連載を勝ち取るようなのはもう時代遅れで、今どきはネットにぱっと出して、ちょっとバズればヒットにつながって、すごい時代になったな、なんて軽く思っていた。

 ところが、その後、この作者が出版した『脱サラ41歳のマンガ家再挑戦 王様ランキングがバズるまで』(イースト・プレス)という本を読んで、「軽く考えてすみません」って気持ちになった。

 作者の十日草輔さん、この人もひたすらひとりでコツコツと積み上げた人だった。

 ネットでバズってぱっと出てデビューなんて生やさしいサクセスはなかった。

 マンガがバズったのは、描きはじめて2年ほど経ったとき。

 それまではほとんど注目もされてなくて、一度単行本化の話もあったけど、それは途中でポシャっている。

 41歳で会社をやめて、それから2年間、ひとりで家にこもって、誰とも付き合わず、貯金を切り崩して、ひたすらマンガを描き続けたそうだ。

 仕事になるかもわからない、ヒットするかどうかもわからない、ほとんど注目もされない中で、ただひたすらひとりで描き続けることがどれだけ孤独で難しいことか。

 2年間、モチベーションを絶やさず描き続けるためにこんなことをしていたようだ。

『王様ランキング』を描き続けた
漫画家のルーティーン

「裏話 習慣化する
 マンガを描き続けるためにまず習慣化しました。(1週に1話〈15P〉完成する)
・夜8時に横にはなり、深夜3・4時に起きる
・夕方5時には作業をやめる
・土日は休日とする※当時です。今はちょっと変わりました。
〈無報酬でモチベーションを維持するのはとてもむずかしいのだ〉
(中略)裏話 やる気の維持
 これは続けられないです。なので描くのを習慣化しました。(この時間は作業すると決めた)毎日、学校や会社に行っている感覚です。それと無理はしないこと、妥協すること、しっかり休むこと。やる気というか、不定期アップになると、読んでくれる方が離れてしまう。その恐怖が背中を押してくれた。毎週同じ日に1話アップするのはとにかく重要で、読んでくれる人に覚えてもらえる!」
~『脱サラ41歳のマンガ家再挑戦 王様ランキングがバズるまで』(イースト・プレス)