「ついヤバいと言ってしまう」「自分の考えをうまく言葉にできない…」。
言いたいことがないワケではないのに、うまく言葉にできない。あなたにも、そんな悩みはありませんか?
小学校から企業研修、さらには少年院まで、さまざまな現場で教えてきた小説家が教える、世界一やさしい「言語化」にまつわる授業。知ってしまえば、今は語彙力ゼロでも、話し下手でも、「自分の言葉」でちゃんと話せるようになれてしまう!
本記事では、子どもも読めて、大人も楽しいビジネス書『小学生でもできる言語化』から、著者の田丸雅智氏にヒントをうかがった。(構成/ダイヤモンド社・秋岡敬子)
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Q.少年院の子どもたちから、教わったことはありますか?
――田丸さんはご自身の書き方講座を、小学校から高校、企業研修で行っているとお聞きしました。さらには、少年院でも行われているそうですが、何か少年院の子どもたちと接した中で学びなどはありましたか?
少年院の子どもが教えてくれたこと
田丸雅智氏(以下、田丸):たくさんあります。
以前、講座の途中で、ある少年が「これってマインドフルネスみたいですね!」と言ってくれたことがありました。
僕自身はそこまで意識していなかったのですが、たしかに言葉をつむぐ作業は、自分の内側と向き合って今この瞬間に集中する感覚があります。
その一言で、自分の講座にはマインドフルネスに近い側面もあるんだと気づかせてもらいました。
――取り組む姿勢にも学ぶことがありますか?
田丸:すごくあります。
少年たちは、言われたことに対して、とても素直に、必死で取り組んでくれるんです。
大人になると……いえ、同年代の子どもたちでも、自分の解釈を先に入れたり、人の話を最後まで聞かなかったりすることがありますよね。
でも彼らは、目の前の課題にまっすぐ向き合う。
その姿勢は本当に素晴らしいですし、自分自身もそうありたいといつも思わされます。
自作小説に書かれた意外な“モノ”
――ほかには何かありますか?
田丸:あります。とても印象的な出来事がありました。
ある少年が書いた作品に、「オレンジの桜」という話がありました。
簡単にご紹介しますと、昔、両親に対して素直に感謝の気持ちを持てていた頃には、桜が美しいオレンジ色に見えた。
が、両親にひどいことをするようになってからは、その色が見えなくなってしまった。
でも、両親の苦労や愛情を知ることができた今、目の前の桜がまたオレンジに見えた。
この先は、自分が親を支える番だと素直に思えた――そんな物語です。
作品としてもとても美しく、その場のみなさんも「おおっ!」と盛り上がったのですが、後日その少年から手紙をもらいました。
そこには、親への感謝のくだりは、じつは自分の本音だったと書かれていたんです。
面と向かって言うのは恥ずかしい。
だから物語を見せて、遠回しに親に伝えたいと思う、と。
――物語が本音を伝える役割を果たしたんですね。
田丸:そうなんです。
もちろん、フィクションに書かれたことが全部その人の本音だと決めつけるのは危険です。
でも、フィクションだからこそ言える本音があるのは確かだと思いました。
物語は、なかなか言いづらい感情を外へ出す器にもなる。
それを少年たちから教わりました。
――『小学生でもできる言語化』の中にも、少年院の子どもたちのエピソードが書かれたページがありますよね。その中では、書く前からできないと言ってしまうのが印象的でしたが、誰しも自分の中に言葉がない人はいないということですね!
(本記事は、田丸雅智著『小学生でもできる言語化』の著者インタビューです。)









