「みんなのお葬式」の契約では、僧侶は、紹介された施主と直接つき合うことは許されていない。たとえば、施主が私の寺を菩提寺にしたいと希望してもそれはルール違反だし、葬儀も法事も直接に依頼を受けるのはNGなのだ。すべて「みんなのお葬式」を通し、同社に手数料を支払わなければならない。

「みんなのお葬式」は、ネット上の広告では「紹介した寺とつき合う必要も、檀家になる必要もない」「それらはすべて施主の自由である」としている。ただ、僧侶側に対しては、施主から直接、法事などを引き受けることを無期限に禁じている。そのうえ、さらに本来、紹介会社がやるべき施主への営業まで押し付けようというわけだ。

 メールを読んで納得しがたい気持ちが湧きあがってきたが、今彼らとの契約を解除したら、僧侶としての仕事は減り、収入は激減する。すぐ契約解除はしにくい。

 しばし悩んだが、瘦せても枯れても伝統宗派の僧侶としての誇りから、どうしてもこの営業命令に従うことができなかった。その結果、「みんなのお葬式」からの指示である「施主への営業」はせず、しかし彼らとの提携契約も解除せず、しばらく様子を見ることにした。

 それから時をおかずして、「みんなのお葬式」から次なる知らせが届いた。

【過去葬儀をご担当いただいたご葬家から、法事の依頼が弊社にあった件数に応じて、提携寺院さまにポイント付与し、そのポイント数により順位をつけさせていただきます。毎月ごとの順位は月初に更新し、お知らせいたします】

 その翌月、各寺院の法要獲得ポイントにもとづいた順位表* が、ネット経由で送られてきた。 ポイントごとに順位付けなどブラック企業の営業マンでもあるまいに。そんなことを思いながらも、私の目は自然とわが東法院のランキング順位を探していた。

 45 位……。