経営会議を通過したものの、ほとんどの社員がTwitterを知らなかったため、そのまま井守氏が担当者に任命された。

 はじめのうちは個人的な知り合いに紹介するなどして、ささやかに運用していた。そこから20万ユーザーを超えるフォロワー数のアカウントにどう育っていったのだろうか。

 最初のバズを生んだのは、2012年11月のこんな投稿だった。

(…… きこえますか… きこえますか… みなさん… パインアメです… 私は今… みなさんの心に… 直接… 呼びかけています… パインアメは… 鳴るように作っていません… 吹いても鳴らないのです… )

 パインアメは鳴りません――。「フエラムネ」と混同されることへの回答だった。1日で約2万5000リツイートを記録し、フォロワーが一気に増加。1万ユーザーの大台に乗ったのである。

 その後も、シャープ、ニッセンといった他企業アカウントとの自然発生的な掛け合いによって、ユニークな企画やコラボ商品を作ったり、無糖ヨーグルトのパックにパインアメを入れて一晩冷やすというレシピを拡散したりと、耳目を引くSNS投稿が話題を呼んだ。

 特にヨーグルトレシピが広まった2023年4月ごろには、パインアメが品薄になるほどの需要増を生んだ。

パインアメ駄菓子でお馴染みの「どんぐりガム」や「あわだま」も、実はパインの商品だ Photo by M. F.

 これほどの反響をもたらすSNSアカウントを運用するのは、気負いもあるのではないか。ところが、井守氏のスタンスは一貫して自然体だという。