カレーライスに日本人メロメロ!? 普及に貢献したのは「意外な偉人」だった〈風、薫る第34回〉

シマケンの実家情報

 直美の方便をなんだかずるいという者もいれば、とはいえ患者第一の目的は達成していると納得する者もいる。ここは視聴者も二手に分かれそうだ。

 筆者としては、藤田が基本、やなやつなので、彼をだますのは、むしろ見ていて痛快である。

 直美が暗躍(?)をはじめるなか、りんはお休みで外出する。

 木枯らしが吹く通りをとぼとぼ歩いていると、子どもがトンビ型の凧を飛ばしている。これはりんが休みで家に帰る、その心のウキウキの表れだろうか。それともトンビで、シマケン(佐野晶哉)を思い出したのだろうか。

 家ではなく、まず瑞穂屋に立ち寄るりん。つい、シマケンの名前を出してしまうりん。相当、シマケンが気になっているようだ。

 店にいたのは清水卯三郎(坂東彌十郎)と勝海舟(片岡鶴太郎)。りんと勝海舟の出会い。

「社長はいつもはぐらかして、何がどこまで本当なんです?」
「どこまでってみんな本当のことさ」

 なんて会話が交わされるなか、りんは店から立ち去る。

 家に戻ると、なぜかシマケンがいて……。そういえば、シマケン、ふらふらしているが、活字拾いの仕事はそれほどがっつりやっていないのだろうか。気が向いたときに手伝っている程度? 謎である。

 卯三郎もそうで、とかく他者のことは全部がわかるものではない。仮にいろいろな情報を知っていたとしても全部はきっとわかっていないものだ。

 りんはお嬢様で、ある種の箱入り娘であったから、社会に放り出されて、自分とは違ういろいろな人がいることに触れて成長している過程である。

 謎だらけのシマケンはりんに少しずつ情報を開示する。実家は浜松でそこそこの料理屋をしていて、母と祖母、姉3人兄1人で、女性ばかりの環境で育ったから、女性に指図されることに慣れているのだという。だから、美津(水野美紀)にうまく使われている。

「確かにシマケンさん、うちにいてもなじんでますね」と、安(早坂美海)はひとりごちる。

「浜松でそこそこの料理屋をしていて」は柳田しのぶ(木越明)の自己紹介「恵まれた日本橋の呉服屋の美人姉妹の四女」とも通底している。やっぱり、隠すということをしない(遠慮のない)キャラばかりなのだ。

 ここでわかるのは、シマケンがふらふらしているのが、実家が太いからということだ。