面接のイメージ画像写真はイメージです Photo:PIXTA

面接官の質問は、その企業の文化や価値観を映し出す鏡です。無意識のうちに放たれる「その一言」が、入社後の職場環境をありありと物語ります。数多くの面接現場に関わってきた採用コンサルタントとしてが、「この質問が出たら要注意」というワースト5をランキング形式でお届けします。(人材研究所ディレクター 安藤 健、構成/ライター 奥田由意)

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面接での体験が
入社後の愛着を決める

 あまり知られていないことかもしれませんが、実は、組織に対する愛着や帰属意識——いわゆる「組織コミットメント」の形成は、入社以前の選考プロセスの段階からすでに始まっています(※)。面接における「候補者体験(CX:Candidate Experience)」の質が、入社後のモチベーションや会社への愛着を大きく左右するのです。

 つまり、面接官からの問いかけ次第で、候補者の志望度を上げることも下げることもできるということです。

 面接官の言動は企業の文化の縮図です。コンプライアンス意識の高さ、人権感覚、心理的安全性への配慮――それらはすべて、面接という場で自然ににじみ出ます。候補者にとって、面接はその会社の日常を垣間見る窓でもあるのです。

 では、「この会社は大丈夫か」と感じさせてしまう「最悪の質問」とはどんなものか。トップ5をランキング形式で紹介します。どれも頻繁に使われているので、採用担当者は要注意。候補者も頭に入れてから面接に臨むとミスマッチのリスクを減らすことができます。

ワースト質問第5位
「当社は第何志望ですか」

 一見普通の質問に見えますが、選考の初期段階で志望順位を問うことは、今の採用市場では完全に時代遅れです。優秀な候補者ほど多くの企業からの引き合いがあるため、一社あたりの志望度は相対的に低くなります。合コンで自己紹介もそこそこに「私のどこが好きですか」と聞くようなもので「あなたのことを何も知らないのに」と「ドン引き」されるのは必至でしょう。これは決して関係性ができる前に答えられる質問ではありません。

 実際、内定者に志望度がいつ上がったかを尋ねると、ほぼ全員が「選考を通じて」と答えます。エントリー時点の志望順位と最終的な入社先は必ずしも一致しません。志望度とは、企業側が選考プロセスのなかで努力して高めるものであり、候補者の初期の志望度で合否を判断する企業は優秀な人材を逃がしています。