思考や感情をどう変えるかではなく、それらが浮かんでいることを前提に、その瞬間に注意がどこへ向いているのかに目を向ける。そして、その注意の向きが、どのような行動につながっているのかを捉える。
思考や感情を整えることを目指すのではなく、思考のさらに手前にある注意を扱うという方向に心との向き合い方そのものが、少しずつ変わっていきました。
ここで言いたいのは、これまでのやり方が間違っていた、という話ではありません。不安を解消しようとしたり、前向きに捉え直そうとしたりすることは、実際の場面で多くの人を支えてきました。ただ同時に、その関わり方では扱いきれない場面があることも見えてきた、ということです。
メンタルが乱れるのは
当たり前だと考える
この変化を整理すると、下の表のようになります。
同書より転載 拡大画像表示
従来の捉え方では、メンタルは「整えるべきもの」「修正する対象」として扱われてきました。良い状態をつくることが目標になり、うまくいかないときほど、内側に注意が向きやすくなります。
一方で、本稿が立つ前提では、不安や緊張があることを「当たり前のこと」だと受け入れ、その中で注意がどこに向いているのか、そして次にどんな行動を選んでいるのかに目を向けます。
結果や評価、相手の反応など、コントロールできないことは多くあります。しかし、置かれた状況の中で、注意をどこへ向け、どの行動を選ぶかについては、コントロールの余地があります。この「注意を戻す力」こそが、本稿で扱うメンタルのスキル(技術)です。
たった1つの簡単な作業に
集中することすら難しい
ここで、短いワークを1つやってみましょう。文章を読むだけでなく、実際に体験してもらうことで、これからの話がより腑に落ちるはずです。







