スポーツ後に勉強がはかどる脳の仕組み、子どもを伸ばす「目標設定」とは運動と勉強はなぜ相性がいいのか。最先端のメンタルトレーニングについて専門家に聞いた

運動と脳やメンタルとの関係を解き明かし、発達段階の子どもから働き盛りの大人まで、より良い人生を送るための運動の効用について紹介する本企画。7年間の商社生活を経て、デンバー大学大学院でスポーツ心理学を学び、現在、中央大学でスポーツ心理学の研究を続けながら、プロアスリートやビジネスリーダーに対して、最先端のメンタルトレーニングを提供する伴 元裕氏(NPO法人Compassion代表理事)にインタビュー。運動と勉強の相性の良さと、目標設定の本質について聞いた。(取材・文・撮影/編集者・メディアプロデューサー 上沼祐樹)

勉強することがスポーツに与える
想像以上によい影響

 経営者の多くが運動を採り入れている。免疫力の向上や新陳代謝の活発化など、常に判断が必要とされる人だからこそ、健康な状態でいることを意識しているのだろう。運動は、勉強においてもポジティブな効果を発揮すると伴氏は言う。

「私も仕事前にランニングを採り入れることがあるんですが、そういった日ほど生産性の高さを感じられます。高い記憶力を発揮したり、良い決断ができたりします。また、子どもたちにおいても、運動と共に脳機能が向上するという研究結果が出ています。運動の機会が多い子どもの方がテストの点数が良く、読解力や記憶力に長けているんです」