あなたは、「仕事ができるようになりたい」と思ったことがありますか?
でも、「仕事ができる」とはいったい何を指すのでしょう。
プレゼンがうまいこと? 英語がペラペラなこと? AIを駆使すること?
……残念ながら、これらはすべて「仕事ができる人」の条件ではありません
では、何をすれば「仕事ができる人」になれるのでしょうか?
3万人を分析して「できる人側」になる絶対ルールをまとめた書籍『仕事ができる人の頭のなか』(ダイヤモンド社刊)著者の木暮太一氏に伺いました。

【ドン引き】「仕事ができる風」の人のヤバすぎる特徴・ワースト5Photo: Adobe Stock

「仕事ができる風」の人がいる

 あなたのまわりにいる「仕事ができる人」ってどんな人でしょうか?

 名前ではなく、特定プロジェクトの実績でもなく、「仕事ができる人」を抽象化させて語ろうとすると、簡単ではないことに気づきます。

・話し方がうまい
・レスポンスが早い
・いつも前向きで元気

 そういう人を見て、最初は「仕事ができる人だな」と感じます。でも、しばらく一緒に仕事をしてみると、「あれ……?(そんなに仕事できる感じじゃないな)」と思った経験もあるのではないでしょうか?

 そして、仕事ができるようになりたいと思いながら、「できる風」にとどまっている人も残念ながらいます。

 ぼくはこれまで、「仕事ができる人」と「できない人」の違いについて考え続けてきました。そしてわかったのは、本当に仕事ができる人は「周囲の負荷を減らせる人」だということです。逆に「できる風」の人は、一見スマートに見えるのに、なぜか一緒に仕事をすると周囲の負荷が減らない。それどころか、周りに余計な仕事を増やしていることすらある。

 今回は、そんな仕事ができる「風」の人に共通する5つの特徴をお伝えします。

1. 言葉がキレイだけど、中身がない

 仕事ができる風の人は、総じて話し方が上手です。流行りのビジネス用語を使いこなし、プレゼンの見栄えもいい。「シナジーを最大化して、アジャイルに進めましょう」なんてスラスラ出てくる。周囲は「おお、なんかすごそう」と思います。でも、よく聞いてみると「誰が」「何を」「なんのために」やるのかが曖昧なまま話が進んでいることが非常に多いのです。

 本当に仕事ができる人の「言語化力」とは、うまい表現を使うことではありません。曖昧なものを明確にし、相手が迷わないレベルまで具体化することです。たとえば「顧客満足度を向上させる」ではなく「来月末までに、Aプランの契約更新率を80%にする」と言えるかどうか。キレイな言葉と明確な言葉は、似ているようでまったく別物です。

2. ロジカル「っぽい」だけで、ゴールがズレている

「それってロジカルじゃないよね」が口癖の人、いませんか。一見、論理的に見えますが、じつは「理屈っぽい人」と「論理的な人」はまったく違います。

 論理的な人は、常にゴールから逆算して必要なアクションを考えます。「この目的を達成するには、何が必要か?」という思考です。

 一方、仕事ができる風の人は、ゴールと関係のない細部や言葉尻にまでチャチャを入れて、議論を止めてしまいます。

 会議で「その数字の根拠は?」と鋭い質問を飛ばすけれど、じゃあどうすればいいかの代案は出さない。質問することで「自分は鋭い視点を持っている」とアピールしているだけ。そんな人は「できる風」の人です。ロジックは目的を達成するための道具であって、相手を論破するための武器ではありません。

3. 「聞き上手」のフリをしている

 仕事ができる「風」の人は、うなずきが上手で、相づちのタイミングも完璧です。「なるほど」「たしかに」の連発で、話している側は気持ちよくなる。でも、会議のあとに「で、結局あの人は何を考えているの?」と周囲が首をかしげることがある。それが「聞き上手のフリ」です。聞いているように見えて、じつは何も理解していないかもしれません。

 本当のコミュニケーション力とは、

①相手の話を「把握」し、
②相手が言いたいことを納得するところまで「確認(質問)」し、
③自分の言葉で「こういうことですよね」と「再現」できるところまでです。

 この3つができて初めて、相手の考えを理解したことになります。

 さらに言えば、相手が言葉にできていない本音や不安をすくい上げて、「こういうことが心配なんじゃないですか?」と言えるかどうか。ただ相手の話を最後まで黙ってニコニコ聞いているだけでは、聞いていることにはなりません。それは「相手の話が終わるのを上の空で待っているだけ」です。

4. 波風を立てないことを「協調性」だと思っている

 仕事ができる風の人は、対立から逃げます。避けるのではなく「逃げる」。「いいと思います」「お任せします」が多く、一見すると協調性が高いと思われます。でも実際は、自分の意見を持っていないか、言わないだけです。

 問題が起きたときに「自分はあのとき賛成じゃなかったんですけどね」と後出しで言ったりする。これは協調性ではなく、ただの責任回避です。

 本当に仕事ができる人も対立を嫌います。しかしそれはゴールに向かって進むためです。

 感情的な対立はチームの動きを止めてしまうので、それは避けなければいけません。でもそれは安易に同調するということではありません。自分の意見はしっかり持ち、対立せずに自分の考えを伝える技術を持っているんです。

 相手の不安や立場を理解したうえで、「自分はこう解釈したんですが、どう思いますか?」と率直に共有する。

 意見を言うことと対立することは違います。むしろ、事前に懸念を共有してくれる人のほうが、チームにとってはずっと信頼できる存在です。

5. 「準備しています」が長い

 計画やリサーチに時間をかけ、完璧な状態になるまで動かない。周囲からは「丁寧に仕事を進めている」ように見えますが、結局アウトプットがなかなか出てこない。締め切り直前になって「もう少し時間をください」と言い出すのも、このタイプの特徴です。

 仕事ができる人の考え方はシンプルです。

 5分の準備が「現場の1時間のがんばり」に勝ることを知っていて、しっかり事前準備をします。そして、完璧を待たずにまず動き、プランBも同時に用意しておきます。

 準備をしていたら「もっと調べてから……」「もう少し考えてから……」と煮え切らない返事をしてしまうこともなくなっていくでしょう。「決めない」「動かない」は、慎重なのではなく、失敗を恐れて行動できていないだけかもしれません。

 ここまで読んで、ドキッとした方もいるかもしれません。正直に言えば、ぼく自身も過去に「できる風」になっていた時期があります。でも安心してください。「仕事とは、相手の負荷を減らすこと」という大原則の定義を押さえておけば、日々何をすべきかを明確に理解できるようになります。

(本記事は、『仕事ができる人の頭のなか』に関連した書き下ろし記事です)